2013年 11月

十日夜

2013/11/20

先日、仕事が終わって園を出たら、すっかり暗くなっていました。日がずいぶん短くなったものです。それもそのはず、立冬のも終わりに近くなり、もうすぐ小雪です。

今年は秋になっても暖かい日が長く続いたので、季節が進んでいる感じがしませんでしたが、カレンダーは11月も下旬となってしまいました。このところ急に冷え込んできて、最低気温は5度を下回ることもあり、突然冬がやってきたようです。                          

朝晩の冷え込みが厳しくなって、日中との温度差が大きくなり、木々が美しく色づき始めました。桜の葉も今年はきれいな色になり、散歩に出た子どもたちが拾っていました。もちろん、もみじもとても美しくなっています。ピークを過ぎた木もありますが、全体的には今が一番美しいのではないでしょうか。紅葉の美しさを求めていらっしゃる人たちで、鞍馬は賑やかです。

暗くなった道を歩いていると、山の稜線から大きなお月さまが昇ったところでした。とても美しい満月だったので、しばらく立ち止まって見ていました。月を見ているうちに、十五夜、十三夜のことを思い出しました。前にも書きましたが、十五夜は旧暦の8月15日の「中秋の名月」、十三夜は旧暦の9月13日の月で「後の月」とも呼びます。そして、旧暦の10月10日(今年は11月12日)は十日夜(とおかんや)といって、この夜に月を見てその年の収獲の終わりとされたそうで「三の月」ともよぶそうです。田んぼの神様が山へ帰る日として、その年の収穫に感謝する行事を行う地方もあるそうです。旧暦は太陽太陰暦なので、今よりも月が生活に密接に関わっていたのだと思います。

田の神様が山へ帰る日を「亥の子」といって亥の月(旧暦10月)の最初の亥の日(今年は、旧暦10月3日、新暦では11月5日)亥の子餅を作って食べ、万病除去・子孫繁栄を祈るといった行事を行うところもあるそうです。もともと中国の風習だったのが日本に伝わり、宮中で行われていた行事だそうです。そういえば、茶道の炉開きの時にはお菓子の代わりにおぜんざいを頂くのですが、亥の子餅も使います。

昔から日本人は自然の移り変わりに寄り添って生活してきました。ある意味そうせざるを得なかったのかもしれません。今はそういった意識が少なくなってきているかもしれません。自分の周りの自然の変化に心を運び、伝統的な行事についても考えてみたいと思います。

恐竜博物館 8

2013/11/19

思ったより固くて、なかなか割れません

発掘体験会場では、1億2千万年前の石をタガネとハンマーで割って化石を探すのだと説明をうけました。1億2千万年前の石ときくと不思議な気がします。道具を受け取ってフィールドへ。石がゴロゴロしているので、片っ端から割ろうとしますが、固いので、かなり力を入れなくてはなりません。石の目であったり、どこを叩くと割れるのか、コツのようなものがあるのかもしれませんが、なかなか難しいものです。ようやく割れても、その断面に化石があるのか無いのか簡単にわかるわけではありません。係の人に聞いてみると、植物の化石は炭化して黒くなっている所だと教えて下さいましたが、なかなか見分けられません。光を当てるとキラキラ光るとも教えてくださいました。貝などはそれらしい形をしているかどうかも見分けるポイントになるということですが、これも難しいと思いました。子どもは最初はなかなか割ることができませんでしたが、少しずつ割れるようになって来たのが楽しかったらしく、一所懸命取り組んでいました。化石が出てこないかと思いながら、石を割っていたらあっという間に1時間が過ぎてしまいました。列車を遅らせてもやる価値はあったと思います。

まん中の黒い部分が植物の化石だとか


それにしても、恐竜博物館の人気はすごいものです。午後3時頃でも博物館に来場するための車が渋滞していましたし、午後5時閉館のはずなのに、4時ごろにも入館する人がたくさんいました。恐竜、恐竜化石をメインテーマとした、ジオパークというコンセプトでのまちづくりは、多くの人が興味関心を持つものなのでしょう。私は恐竜博物館しか知りませんが、質の高い展示は魅力的ですし、また行ってみたいと思いました。コンセプトとそれを高いレベルで具体化する取り組みは人を魅了するのだと思います。

恐竜博物館 7

2013/11/18

1億数千万年前の地層からみつかった様々な化石のなかに恐竜の化石もありました。
最初に見つかったのは小型肉食恐竜の歯だったそうです。恐竜博物館には、「福井の恐竜」コーナーがあり、福井で見つかった恐竜に関する研究成果が展示されていました。

カルノサウルス類と考えられる肉食恐竜、フクイラプトル(フクイラプトル・キタダニエンシス)、イグアノドン類の草食恐竜、フクイサウルス(フクイサウルス・テトリエンシス)、日本で最初に学名がつけられた竜脚類、フクイティタン(フクイティタン・ニッポネンシス)、日本で最初に学名がつけられた竜脚類、ドロマエオサウルス類など、学名が付けられた3種を含む6種類の恐竜の存在が明らかになったとありました。

1億年も前というと、その時間の長ささえ想像できませんし、恐竜のような生き物がいたこと自体がどこか不思議な感じがします。恐竜の化石の発掘というと、どこか遠い国での話のように感じられて、こんなに近くに発掘現場があってたくさんの化石が見つかっているのがどこか不思議です。

恐竜博物館の一帯は、かつやま恐竜の森という公園になっていて、様々な施設があることは既に書きましたが、そのひとつに「どきどき恐竜発掘ランド」というのがあります。ここでは化石発掘体験ができるのです。実際の発掘現場から運んでいた石をタガネとハンマーで割って化石を探すという体験です。どこで知ったのか、子どもがこれを体験したいと言っていたので、事前に調べたら、予約が必要で、その時点で予約はいっぱいになっていたので諦めていました。当日、会場に行ってみると、大人用の体験時間枠が追加で設けられていたので、帰りの列車の予約を変更して申し込みました。この時期を逃すと、冬期は雪のため来春まで化石発掘体験はできないのです。

恐竜博物館 6

2013/11/17

「生命の歴史」の展示は先に書いた生命のはじまりから詳しく解説されていましたが、後半は私の集中力が続かなくなってきました。充実した展示がたくさんあるので、じっくり見ようと思うと相当時間がかかります。また、日を改めて訪れてみたいと思いました。

勝山市はその全域をジオパークとして「恐竜、恐竜化石」をメインテーマ、「火山と火山活動」、「地質・地形遺産と人々のくらしとの関わり」をサブテーマに様々な取り組みを行っています。

ジオパークのジオ(geo)とは「地球」という意味で、地球学的に重要な自然遺産を中心に自然に親しむための公園で、その自然遺産を持つ地域が、自然遺産や様々な文化遺産を有機的に結びつけて保全や教育、ツーリズムに活かす取り組みを行っているところがジオパークといわれています。

勝山市では、昭和57年に勝山市北谷町で中生代白亜紀前期のワニの全身骨格化石が発見され、昭和63年に小型肉食恐竜の歯が発見されたことをきっかけに、平成1年から始まった恐竜化石発掘調査事業により、学術的に貴重な恐竜化石が数多く発見されています。

この恐竜の化石が発掘された手取層群は中生代(約2億5000万〜約6500万年前)のジュラ紀(約1億9960万年前〜約1億4550万年前)から白亜紀(1億4550万年前〜6550万年前)の地層です。この手取層群からは1億数千万年前に生きていた植物、淡水生貝類の化石などさまざまな化石が見つかりかっており、この一帯には古手取湖と言われた巨大な湖があったとされています。

勝山市北谷町杉山には恐竜化石発掘地があり、国内最大級の規模で、産出する恐竜化石の量も国内最大だそうです。日本国内で見つかった恐竜化石の8割はここで見つかっているそうです。現在は非公開となっているこの発掘現場もいずれ公開されるとタクシーの運転手さんがおっしゃっていました。公開されたら見に行ってみたいものです。

恐竜博物館 5

2013/11/16

地球上に酸素が増えることによって、それまでとは環境が大きく異なり、酸素を使わない生き物にとっては、生きにくい環境になってしまいました。一方で酸素を効率的に使う生き物も現れてきました。酸素から大きなエネルギーを得られる反面、強い酸化作用も持ちます。活性酸素が細胞を傷つけてしまうとも言われています。

環境が変わることで、生物にも変化があります。大きな変化の一つは、真核生物の誕生だと解説されていました。

真核生物がどうやって発生したかにはいろいろな説があるそうです。古細菌が原始真核細胞のもととなり、そこへいくつかの真正細菌が遺伝子を送り込み、今の真核生物の核内の遺伝子が作られたという考え方、古細菌と水素排出性細菌がいる環境で古細菌が水素排出性細菌を取り込むことで、物質を共有して代謝を行う共生系が成立、その代謝の経路を変化させて行く過程で、核とミトコンドリアが作られたという考え方です。

酸素が増えたことによって酸素を使わない嫌気性の生物(細菌)にとっては生存しにくい環境になってきましたが、一方で酸素をうまく使う好気性の菌が発生してきました。これらの好気性の細菌を取り込んだ嫌気性の細菌は、酸素をうまく使えるようになり、動物細胞の元になった。さらに、シアノバクテリアを取り込んだ細菌は植物細胞の元になった。と説明されていました。

また、取り込まれた好気性の細菌はミトコンドリアとなって現在でも酸素呼吸の役割を担っているそうです。

詳しいことはまだまだわかっていないのかもしれませんが、細胞のでき方を見ても私たちの体を構成する細胞ひとつひとつの中に、生命進化の記憶が存在していることを改めて知りました。

恐竜博物館 4

2013/11/15

急ぎ足で見ても1時間かかった1階の展示、ジオラマを異なる高さから見られるように配置されたスロープを進み、ずらっと並べられた恐竜の全体骨格標本の上からの眺めを楽しみながら歩いているといつの間にか2階に来ていました。

2階は「生命の歴史」というテーマの展示です。46億年という地球の歴史の中で、生まれ、育まれてきた生命の歴史が紹介されています。

最も古い化石というのが、西オーストラリアのピルバラで発見された35億年前の地層から見つかった繊維状の微化石です。さらに南西グリーンランドのイスア地域で生物起源とみられる成分がみつかり、38億年から39億年前には生物がいたということが示されているそうです。このイスアで発見されたのはふつうの化石とは異なり、生物の形を残していません。「生物起源とみられる成分」というように、化学分析の結果から生物起源であると判断される化石で、このような化石を化学化石と呼ぶのだそうです。

38億年前には生物起源と思われる生物が存在していた。そして、生物としての形がわかる化石は、前出のピルバラで発見された微化石です。微化石というように、大きさはミクロン単位なので、顕微鏡で探すしかありません。石を顕微鏡で調べてミクロン単位の大きさの化石を探すなんて、どうやったらできるのだろうと不思議に思います。このような研究の成果で、35億年前には既に多様な生物がいた事が明らかになっているのです。

そして、27億年くらい前には、シアノバクテリアが現れました。シアノバクテリアは、無尽蔵ともいえる海水中の水素を利用して光合成を行う事ができたことと、様々な環境に適応しやすかったので大繁殖しました。そして、シアノバクテリアが副産物として作る酸素が海水中の鉄を酸化沈殿させ、大気中の酸素濃度を高めたことで、地球環境は大きく変化しました。この酸素濃度の上昇という環境変化が酸素を使って大きなエネルギーを得ることのできる生物が誕生するきっかけとなるなど、その後の生物の進化に大きな影響を与えているようです。生命と環境とが互いに影響しあいながら現在の地球環境は形成されていったことがわかります。

地球上に生命が発生した頃のことは想像すらできませんが、このような研究成果が紹介されていたのを見て、今、私たちがここにこうして生きていることには、想像できないくらい遠い昔にその原因があるのだということを、再認識しました。

恐竜博物館 3

2013/11/14

恐竜博物館の展示はとても充実していました。1階の展示室は「恐竜の世界」と「地球の科学」がありましたが、「地球の科学」の展示を見たいと思いながら、恐竜の世界に引き込まれて、見るのを忘れてしまいました。調査研究の成果を一般の人にもわかりやすいように展示にもとても工夫が凝らしてあります。恐竜の全体骨格や化石標本とともに生きていた頃の姿や生活がわかるように再現されたジオラマは大迫力です。ドーム状の建物の内壁に風景が投影された中に植物や枯れ葉まで環境が再現され、そこに大きな恐竜たちがいて、少し動いています。フロアのまん中にいたティラノサウルスもそうですが、動きがとてもリアルです。

「ダイノシアター」は3メートル四方くらいの大きな2つのスクリーンが対面して設置されていて見学者は2つのスクリーンの間で映像を見ます。スクリーンには恐竜が生きている様子が精緻なCGで映し出されます。対面しているスクリーンが連動しているので、左側のスクリーンからこちらに向かって突進してきた恐竜が頭の上を跳び越して右側のスクリーンに移動してゆくようで、とても迫力があります。

ダイノシアターからジオラマに見とれながら、通路をゆっくりと進んでゆくと、いつの間にかに2階にたどりつきます。長いエスカレーターで下りてから、2階に上がってくるまで約1時間、ちょっと急いで見てしまったのでじっくり見たという感覚はなく、1階の「地球の科学」コーナーは見るのは忘れてしまっていたくらいです。それでも1時間かかりました。

詳細な調査研究でわかったことを最新の技術や機器類も駆使して、いろいろな人にわかりやすく示す様々な工夫が凝らされていることが感じられました。まるで、恐竜の生きていた頃にタイムスリップしたかのように感じられるジオラマなどは柱のないドーム型の建物だからできたことなのでしょうし、球状の建物の内壁に映し出された風景に奥行きが感じられたこともより臨場感を高めてくれると思いました。細部にまでこだわることが、人の心を惹きつけるのでしょう。

恐竜博物館 2

2013/11/13

   カマラサウルスの全身標本

遠くからでもそれとわかる、銀色に光り輝くドームのような外観の建物。大きな恐竜のタマゴなのかと思ってしまいます。エントランスを一歩入ると、地中深く潜ってゆくように続く長いエスカレーター。トップライトからふりそそぐ光に包まれてエスカレーターに乗っていると、時計を逆さに回して、恐竜の生きていた時代に向かってタイムスリップしているかのような感じがしました。エスカレーターを下りたところで、大人用と子ども用の音声ガイドを借りて先に進むと、そこはダイノストリートと呼ばれる通路で、両側の壁には化石標本が芸術作品のように並べられています。ところが標本と標本の間に何かの機械が突き出ているのです。機械ものが気になる私としては、

 動くティラノサウルスがお出迎え

化石標本よりそちらが気になってしかたなかったのですが、それは天井に古代の海中の様子を映し出すためのプロジェクターのようでした。天井を見上げると古代の海底を歩いているように感じられる演出のようです。

ダイノストリートを抜けると、ほぼ全身の骨が保存されてるカマラサウルスの全身標本が発掘途中のような姿で出迎えてくれます。これを俯瞰するように階段を上がると、そこは「恐竜の世界」ゾーンです。40体以上もの恐竜全身骨格が展示されていて、まさに恐竜だらけです。その上リアルに再現されたジオラマや、動く恐竜もたくさんいます。あまりにもたくさんあるので、何が何だかわからなくなってしまいそうです。しかし、研究の成果がとてもわかりやすく解説、展示してあるので、じっくりと見ることができれば、とてもおもしろいと思います。「どんな声を出したの」という展示では、恐竜の聴覚器官や発声器官をその化石から研究して実際に出したであろう声を推測して示してありました。これらの膨大な数の充実した展示は、長径84m、短径55m、高さ37.5mという巨大な空間の中にあるのです。しかもその空間には柱がありません。音声ガイドを聞きながら、進んでいたら建物についての説明がありました。設計は黒川紀章さんでした。恐竜のタマゴのように見えるが、そのイメージではなく、柱のない大きな空間を作るために、このような形になったそうです。

いろいろな意味で充実している博物館だと思いました。

恐竜博物館

2013/11/12

  新しくても懐かしい感じの勝山駅

ゴトゴトと走るえちぜん鉄道の車両にゆられること約1時間、「左側に流れるのが、九頭竜川です。」というアテンダントの案内に窓の外を見ると九頭竜川の流れが目に飛び込んできました。目線を上に移すと、山の麓に銀色に光る大きな丸いドームのような建物が見えます。福井県立恐竜博物館です。以前スキージャム勝山というスキー場に行ったときに、山の上から見て知ってはいましたが、どこから見ても目立つ建物です。

しばらくして勝山駅に到着、駅前で客待ちしているタクシーはなかったので、駅員さんに教えていただいてタクシーを呼びました。

   3階回廊から眺める展示室

運転手さんによると恐竜博物館へ向かう道路は休日には渋滞するのだそうです。やはりたくさんの人が訪れるのです。博物館に着いたのは11時近かったので、入館までに少し並びました。次から次へと人が集まってきます。しばらく待って入館すると、そこは3階になっています。ミュージアムショップ、レストラン、ライブラリーなどで構成されていますが、入口とは反対側に行くと下の階に広がる恐竜たちの展示が目に飛び込んできて、わくわくします。

博物館の入口は3階になっていて、展示室へは長いエスかエーターで一気に地下1階まで下りますが、3階の回廊のようなフロアから、下を眺めるとエスカレーターや階段で各階へのアクセスできるようになっているのですが、その空間を構成する微妙なアールと直線がマッチしたデザインがとても美しいのです。広角レンズで写真を撮るとおもしろそうだと思いました。

いよいよ長いエスカレーターに乗って、地下1階に向かいます。ふとエスカレーターから見上げると、天井からそびえる楕円錘形のトップライトが目を引きます。エスカレーターに乗って動きながら見ると、見え方が微妙に変わっておもしろいのです。ついつい上ばかり眺めていたら、いつのまにかエスカレーターの終点に近づいていました。

とてもステキに演出された空間だったので、誰の設計なのか気になりました。

                                                           

えちぜん鉄道

2013/11/11

福井県立恐竜博物館を訪れました。夏頃から子どもに連れて行けとせがまれていたのですが、なかなか時間がとれなくて実現することができませんでした。しかし、どこかで思い切らなくてはずっと行くことができないだろうと思い、なんとか予定をやりくりしました。車で行くと予算的にも安価ですし、時間的にも列車で行くのと変わらないのですが、どうも渋滞しそうだったので列車を使ってみました。京都駅からサンダーバードで福井まで行き、えちぜん鉄道に乗り換えて勝山まで、その先はバスかタクシーです。

えちぜん鉄道には初めて乗りましたが、なんともいえずローカルな雰囲気がステキでした。ゴトゴトとゆっくり走ってゆく様子や木々の間を抜けてゆく感じが、どこか鞍馬と出町柳の間を結ぶ叡山電鉄に似ているように思います。一両編成で運行する車両には、アテンダントと呼ばれる、女性乗務員さんが乗っていて、車内放送をはじめ、乗客の質問に答える、案内をする、乗降のアシストをするなど様々な乗客サービスをしていらっしゃるのが新鮮でした。今年10周年を迎えたということだったのですが、駅の設備の一部に歴史が感じられたり、レトロな雰囲気があったりしたので、ちょっと気になりました。

調べてみると、えちぜん鉄道は福井市・勝山市などが出資する第三セクター方式の鉄道なのですが、以前、京福電気鉄道が福井県下で運営していた越前本線・三国芦原線を京福電気鉄道の撤退に伴い、引き継いで運営するために設立されたそうです。
道理で途中の駅にレトロな感じが残っていたりするのですね。

京福電鉄といえば、以前、鞍馬、出町柳間の鞍馬線と八瀬、出町柳間の叡山本線を運営していた会社です。1980年代に子会社叡山電鉄を設立し、分社化しました。現在、京都では、四条大宮、北野白梅町と嵐山を結ぶ、通称嵐電と叡山ケーブル、ロープウエイを運営しています。以前運営会社が同じだったことは関係ないとは思いますが、えちぜん鉄道と叡山電鉄は雰囲気がどこか似ていると感じました。

えちぜん鉄道のアテンダント、運転手さん、駅員さんなどスタッフの皆さんがきちっとした制服を着用していらっしゃることが、とてもさわやかで上品な感じがして、駅などの設備のレトロ感と相まって好印象でした。アテンダントの方に、皆さん服装に気をつかっていらっしゃるのですかと尋ねたら、10周年を迎えたのを機に制服が新しくなったのだと教えてくださいました。みだしなみといいますが、大切なことですね。

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