台風18号が近づき、通り過ぎてゆきました。9月15日日曜日の夕方から雨量が多くなってきたり、強い風が、雨を斜めに降らせます。風の強さよりも雨の降り方が気になりました。とにかくすごい勢いです。それでも夜のはじめまでは息をつくように雨脚が強くなったりそうでもなくなったりしていました。ところが、夜が更けてくるにつれ猛烈な雨が絶え間なく降り続くようになってきます。風も強まってくるので、不安が募ります。園の裏山は崩れていないだろうか、何か飛んでいっていないだろうか。木が倒れてこないだろうか、窓ガラスが割れたりしていないだろうかと気にはなりますが、どうしようもなく、ゴーゴーと雨風が暴れる音を聞きながら休みました。目覚まし代わりに使っているスマートフォンから、突然いつものアラーム音とは違う音が響き渡り、緊急地震速報かと思って慌てて飛び起きました。画面には、「緊急速報 大雨特別警報発表5時05分京都府全域に多め特別警報が発表されました。これまでに経験したことのないような大雨になるところがあります。最大級の警戒をしてください(京都府)」とあります。5時7分のことでした。
特別警報は平成25年8月30日に気象庁により運用が開始されました。これまでは、大雨、地震、津波、高潮などにより重大な災害の起こるおそれがある時に、警報が発表されていましたが、これに加えて、警報の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波等が予想され、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合、「特別警報」を発表し、最大限の警戒を呼び掛けるというものです。特別警報が出た場合、数十年に一度しかないような非常に危険な状況にあります。周囲の状況や市町村から発表される避難指示・避難勧告などの情報に留意し、ただちに命を守るための行動をとってください。とされています。
この特別警報の運用が開始されたときは、「数十年に一度しかないような非常に危険な状態」とあったので、滅多に発表されることはないのだろうと思っていたのですが、まさか1ヶ月足らずで、しかも京都府に発表されるとは、驚くとともに不安になりました。それでなくとも、相変わらず猛烈な雨と風の音が聞こえているので、不安は募ります。窓から外を見てみましたが、暗くてよくわかりません。
10分後に京都市より「大雨特別警報に伴う情報」として、追加情報が送信されてきました。「浸水が想定される区域では2階以上に避難するなど身の安全を守る行動をとってください。」など具体的な内容が追加されています。
明るくなってきたので、外に出てみました。強い雨と風です。谷の水かさが上がり、ものすごい勢いで流れています。時折大きめの石が流れてゆく音が響きますが幸い近くを見た限りは大きな異常はありませんでしたが、私は見に行かなかった鞍馬川はかなり増水していたようです。
特別警報の発令を知らずに周囲の状況を見ているだけでは、不安の度合いは違ったかもしれません。「数十年に一度」ということばが頭の片隅にあるので、木が倒れてこないだろうか。山が崩れてこないだろうかと、とても気をつけながら歩いている自分に気がつきました。
警報は良く発令されるので、どこか「また警報」という感覚になりがちですが、本当は警報でも充分に気を引き締める必要があるのです。特別警報が運用開始されたことで、警報を軽視してしまわないように気をつけないといけないと思いました。
嵐山の被害状況が報道されていましたが、京都市内はじめ府下、全国各地で被災された方にお見舞い申し上げます。