2013年 7月

妬みと憧れ

2013/07/19

ところで、子どもに妬みのような感情はあるのでしょうか。調査研究したわけではないのではっきりとは言えませんが、園で子どもたちを見ていると妬みというよりもあこがれの気持ち方がずっとずっと大きいように思います。

妬むとは、他人が自分よりすぐれている状態をうらやましく思って憎む。というように、憎む気持ちが多少なりとも入っていますが、あこがれるは、理想とする物事や人物に強く心が引かれることです。

そういえば、あこがれを漢字で書くと「憧れ」、りっしんべんに童です。童の心があこがれなのでしょう。大人になっていろいろのことを刷り込まれて素直さがなくなり、素直にあこがれることができず、憎しみの心が入ってしまうと、妬みになってしまうのかもしれません。

子どもたちは「○○くんはさかあがりができて、かっこいいなー!ぼくも○○くんみたいにさかあがりができるようになりたい!」と素直に思って、一所懸命に練習して、そのうちできるようになります。「できるようになりたい!」「だから練習する」とても素直でシンプルですよね。この素直さを大切にしたいと思いますし、見習いたいとも思います。

ときには、「どうせ、ぼくはできないから」と諦めたようなことをいう子もありますが、本当はできるようになりたいのです。子どもが「できるようになりたい」という自分の気持ちを確かめられるようにことばを添えてあげたり、必要としているところは手伝う、そして勇気づけることができると良いと思います。

できるできないの結果だけを大人が評価すると、子どもも結果だけを気にするようになり、本当に大切なのはプロセスのはずです。「できるようになりたいから努力する」という気持ちで努力を続ける子どもの姿を、大人が素直に喜べると良いと思います。

しかし大人は、どうしても結果だけをとらえ、しかも他の子どもと比べて良い悪いという評価をしてしまいがちです。これを続けていると、子どもは自分よりできる子に対して憧れるのではなく、妬んでしまうようになるのではないでしょうか。子どもの素直さが伸びるようなお手伝いができると良いと思います。

東京研修

2013/07/19

先日、職員と二人で東京まで研修に行かせてもらう機会に恵まれました。
「見守る保育」を実施されている保育園の見学と講師の先生の話や実践されている保育園の保育士さんの発表など二日間盛りだくさんの内容でした。
保育園の見学は何度か行かせてもらってはいますが、毎回新しい発見をさせてもらっています。
環境構成や職員の方々の動き、そして何よりも子ども達が自分で考えて行動している姿…
それにはまわりの大人から見守られている安心があるから、ぐんぐん進んでいける。0才児の子ども達も自信に満ちた動きをしていました。
今回も見学させていただく事によって、いろんな事に気づかされました。
毎日の保育から一度抜けて、違う保育園を見学させてもらう事は、別の角度から自分の保育園を見つめ直すとてもいい機会でもありました。
この二日間で得たものを現場でいかせられるように頑張りたいと思っています。
そして、忙しい毎日の中で二人も研修に出させてもらえた事に園長先生を初め、職員の皆さんに感謝します。
ありがとうございました。

妬みと思いやり

2013/07/18

妬みの感情が起こる場合というのは、自分にとって関連や関心の高い分野において、優れたものや特性を他人がもっているときで、自分も手に入れたいとか、その人がそれを失えば良いのになどと思ってしまいますが、他人がもっているものがいくら優れていても自分にとって興味や関心のないものであれば、妬みはあまり生じません。自分にとって価値があるものは、自分が生きてゆく上で必要なもののはずなので、そこにより価値の高いものを求めるのは自然なことなのかもしれません。

妬みに関係する脳の部位に前部帯状回という部分があるそうですが、前部帯状回は同時に相手の心を理解しようとすること、同情や誰かのために何かをする利他的なこと、共感などにも関係しているともいわれます。

また、前部帯状回は、物事の順序にこだわたり、たとえそれが無意味だとわかっていても、これをやらなくてはならないといった観念に駆られるなどの強迫性、つまり「こだわり」と関係しているともいわれており、前部帯状回の活性が適切な刺激がないにもかかわらず過剰に高まると脅迫障害のような症状が起こるそうです。

前部帯状回は脳内のいろいろな部分からの情報を統合して行動の意欲や動機づけ、感情に関する情報処理の優先度を設定する役割を持ち、いろいろな脳の領域と相互に関わって、認知や行動に関わる機能や記憶に関係しているともいわれています。

私たちは、ついつい妬みと、人の心を思いやったり、共感することは対立概念だと考えがちですし、時歳そういう側面もあるのですが、生きてゆく上で必要な心の動きを様々な形で表出させるという観点からすれば、それほど大きな違いはないのかもしれません。

「トマトできたよ〜。」

2013/07/18

雨明けと共に鞍馬も水の冷たさが心地よい季節になりました。先日も砂場にブルーシートをかぶせ、そこに水をためて、ちょっとした池を作りプール遊びを乳児クラスの子どもたちが楽しみました。

春に皆が植えたプチトマトとフルーツトマトも子どもたちが、せっせと水やりしてくれたお陰で、今年は鈴なりにできました。少し前までは、まだ緑で「赤くなったら食べようね〜。」と子どもたちとも話してましたが、ようやく赤く色づき収穫しました。子どもたちが手でトマトをもぎ取って、ちょこんと腰を下ろして食べていました。

自分たちが育てたトマトの味は格別だったようで、もっと食べたくて取りに行っている子もいれば、食べながら友だち同士「すっぱ〜。」と言い合って笑ったり、野菜が苦手だった子も他の子が美味しそうにほうばってるのを見て少し食べてみようとする姿がありました。

どんどん実をつけてるので、また皆で頂くのが楽しみです。

お参り

2013/07/17

この間、朝のお参りの時にMちゃんが、お友だちに「一緒に座ろう!」と誘われました。するとMちゃんは「おしゃべりしてしまうしいやや」と言っていたんです。確かにおしゃべりが大好きで、楽しそうに話しをしている所をよく見る二人。今はしゃべる時じゃないと思い、しっかり伝えられたMちゃんが素敵だなと思い、Mちゃんに「えらいなぁ」と言うとウフッと笑い、一人で座ってお参りしていました。

妬み

2013/07/17

他人の喜ぶ姿と苦しんだり悲しんだりする姿のどちらが見たいと思いますか?「喜ぶ姿」と答える人が多いのかと思いますが、もしかして自分の心のどこかに、誰かの幸せを妬んだり、哀しみや苦しみを喜んでしまうところはないでしょうか。妬みの感情を持ったときに活発に活動しているのは脳内の前部帯状回という部分だということがわかっているそうです。前部帯状回は、血圧や心拍数の調節などの自律的機能の他に、注意機能といった認知機能や大脳辺縁系の一部として情動反応、また痛みや葛藤の処理にも関わっているそうです。ですから、妬みにだけ関係しているわけではないようで、妬みを含む

また、他人の不幸を喜んでいるときに活発に反応しているのが、脳内の線条体という部分で、運動機能に関わると同時に、心地よい感情や意志決定など情動や認知過程にも関わると考えられているようです。

この2つは密接に関係しています。他人の不幸を喜んでしまうのは、どんな人に対してでも喜ぶのではありません。妬みを持っている人に不都合なことや、不幸が起こったときに、喜ぶようです。それまで妬んでいた相手に対して持っていた劣等感が優越感に変わる感じなのでしょうか。

そして、妬みに関連する前部帯状回の活動が高い人ほど、他人の不幸に対して線条体が強く反応するのだそうです。

他人の不幸を喜ぶなんて、よくないことだといわれそうです。しかし、この機能は私たちが生きてくる上で必要なことだったのかもしれません。誰かの優れたとところをみて、「ああなりたい」とか「まねしてみよう」といった前向きに変えることができるとよいのではないでしょうか。

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