なぜ、いちいちロープを引っ張らないとボールが落ちてこないバスケットゴールにしたのか?作った先生に聞くとこう答えてくれました。
バケツの底を抜いてしまうと、子どもがボールを入れたらそのまま落ちてきてしまう、そしたらそれを拾ってまた入れる。バスケットの練習ならそれで良いのかもしれないが、子どもの遊びとなると、遊びが一人で完結してしまっておもしろくない。敢えて
誰かがロープを引っ張らないとボールが落ちてこないようにすることで、2人の子どもが一緒に遊ぶことができる。例えば「ボールが入ったらロープを引っ張って落としてね。」「うん!わかった!次は交替してね。」というように、バケツのバスケットゴールが子どもたちを繋げてくれることを狙って、そういう構造にしたというのです。
そんな話を聞いていたら、とても嬉しくなりました。
子どもたちも嬉しいのでしょう、よく遊んでいます。ロープがぶら下がっていたら引っ張りたくなるのは、当然のことで、1歳や2歳の子も引っ張りたくなります。幼児がバケツにボールを入れようとしているのに、小さい子がわからないで引っ張ってしまうこともしばしばです。そうすると、せっかくゴールしようとしていた子はそれができなくなるので、「もー!引っ張らないで!」と怒っていたので、小さい子でも丁寧に説明してお願いすればわかってくれるんじゃないかな。と提案すると、ちゃんと説明してお互い納得して、2人で一緒に遊んでいました。
こういった子ども同士が自分の想いを伝え、相手の気持ちも受けとめる。そんなきっかけになればとバスケットゴールを作った先生のねらいはみごとです。
子どもは、環境や条件さえ整えてあげれば、ちゃんとできる力を持っているのに、ついつい、ああでもないこうでもない、そうしちゃダメ、こうしなさいと口を出しすぎてしまうのはなぜなのでしょうか。