「いじめは悪いことだ!絶対にしてはいけない!」声高に叫び、毅然とした態度で望むことは、もちろん大切なことです。こう叫ぶのは、子どもたちに「いじめは悪いことだ!絶対にしてはいけない!」と教えようということなのでしょうか。
「そんなこと言われなくてもわかってるよ!」そんな声が子どもたちから聞こえてきそうです。子どもたちは、今更いわれなくてもそんなことぐらいわかっていると思います。わかっていてもしてしまうのはなぜでしょう。
いじめられる子が被害者で、いじめる子は加害者。そんな単純な図式でとらえて良いのでしょうか。確かに殴る蹴るの暴力、持ち物を隠す、金品を要求するなど刑法に触れるような行為が行われてれているのが事実のようです。そんなことはしてはいけないとわかっているのにいじめをしてしまう子。その子こそ、心にトラブルを抱えているのではないでしょうか。なにか、いたたまれないものが子どもたちの心の奥にくすぶっているように思えてなりません。いじめられる子は被害者ですが、いじめる子も、「いじめずにはいられない」という心にさせられた被害者なのかもしれません。
こんなことを書くと、いじめられている子に、「何もわかってないのに、偉そうなことを言うな!」と叱られそうです。しかし、昨日までいじめていた子が、今日からいじめられるということがあると聞きました。子どもたちが「助けて!」と叫んでるのではないでしょうか。
それに対して、私たち大人がすべきことは何でしょうか。いじめた子を厳罰に処することなのでしょうか。考えれば考えるほどわからなくなってきます。