2013年 2月

落ち着きのない遺伝子 4

2013/02/10

我々の祖先が約7万年前にアフリカを出て、5万年で全世界に広がったのは、その先頭集団には「落ち着きのない遺伝子」の要素を多く持った人たちがおおく集まったというより、そういう遺伝子が選択されやすかったともいえそうです。また、遺伝子と文化の相互作用についても次のように述べられています。「遺伝子と文化の相互作用は、人間の複雑な行動の随所に見ることができる。人類が石を使って固い木の実を割った瞬間、文化が芽生えた。そして手先の器用さを高め、想像力を活発にする遺伝子が優先的に選ばれた結果、人類はますます手先が器用に、想像力がたくましくなっていった。」

私たち人類は、世界中に広がっていますし、宇宙や深海などにも探求心をむけ、様々な未知の分野にも挑戦し続けています。

ここから先は全く私の思い込みなのですが、最近、「気になる子」ということばがよく使われ、集団で保育をしようとする大人にとって気になる子、発達障害という名前がつけられることも多いのですが、コミュニケーションが苦手、じっとしていないで動き回る。こだわりが強いといった特徴を持つ子が増えているといわれています。

大人が一斉に保育しようとする今までの価値観から見れば、「気になる子」なのかもしれませんが、よく動き回るという特徴は「落ち着きのない遺伝子」の性質をより多く持ち合わせた探求者のたまごなのかもしれませんし、その他の性質のなかにもこれから先、人類にとって必要になってくるものが含まれているのかもしれません。先が見えず、行き詰まってきている時代を新たな方向へ導くための探求者、冒険者、フロンティアの役割を持って生まれてきているのかもしれないとも考えられるのではないでしょうか。

今までの価値観にとらわれずに、異なった視点から見てみることも必要だと思います。

「落ち着きのない遺伝子」という記事を読んでそんなことを思ったのでした。

*次の記事を参考にさせていただきました
『ナショナルジオグラフィック』2013年1月号P60〜P73「落ち着きのない遺伝子」デビッド・ドブス

落ち着きのない遺伝子 3

2013/02/09

子どもの時に探求心を思いっきり発揮して、様々なことに関心を持ち、挑戦しては失敗し、また方法を変えて挑戦する。一人で挑戦する時もあるでしょうが、仲間と相談したり意見を交わし合ったりして行う。そういう経験をたくさんできる機会を持つことが乳幼児期にとても大切です。この探求心をしっかりと満たすことが次の探求心へとつながり、未来を切り開いてゆく力になるのだと思います。

しかし、探求心は持ちなさいといわれて持てるものではありません。「これ、どうなってるんだろう?」「どうしたらできるだろう?」と子ども自らが思うこと、ことばを変えれば、子どもが自ら世界を知ろうとする意欲こそが大切なのです。どの子も探求心を持ち、世界を自分なりに理解しようとします。時にはそれがいたずらに見えたり、大人にとって不都合なことだってあります。それを、大人の価値観だけで、押さえつけてしまうと、せっかく伸びようとしている力が伸びなくなってしまいます。もちろん、何をしても良いというわけではありませんが、子どもを、探求心を大いに発揮しようとしているひとりの冒険家として見てあげる余裕も私たち大人には必要なのではないでしょうか。

小学校では、子どもたちの「生きる力」をはぐくむことを目的に新しい学習指導要領が平成23年度から全面的に実施されています。文部科学省は、「生きる力」とは、変化の激しいこれからの社会を生きるために、 確かな学力(知)、豊かな人間性(徳)、健康・体力(体)を バランスよく育てることが大切だとして、
○基礎的な知識・技能を習得し、それらを活用して、自ら考え、判断し、 表現することにより、さまざまな問題に積極的に対応し、解決する力
○自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や 感動する心などの豊かな人間性
○たくましく生きるための健康や体力 など
と定義しています。

ここで言われる知・徳・体は、乳幼児期に探求心を存分に発揮して、仲間と共に挑戦することをとおしてこそ、その基礎を築くことができるのだと思います。

何とかしてこの山に登りたい。という意欲があって初めて、山に登るという問題を解決するために、何とかしようと自分の持っている知識技能を総動員して自ら考え、判断し、表現する。そして、仲間と共に取り組むことで、自分の意見を表すこと、自らを律すること、仲間と力を合わせること、思いやりや感動を経験します。頂上を目指すためには体力も必要でしょうし、何度も挑戦するうちに、体力もついてくるかもしれません。

最初にあるのは、山に登りたいという探求心です。だからこそ、探求心を思いっきり満たすことのできる環境を乳幼児期に用意しておきたいのです。

節分

2013/02/09

1月29日、鬼から保育園に手紙が届き、大興奮の子ども達。怖くて泣き出す子もいましたが、、、。
その日から毎日のように「明日鬼くるで」「鬼きたら先生守ってあげる」「先生、豆用意しといてや」などなど鬼の話で盛り上がる子ども達でした。

そして、節分には、鬼さんが子ども達に逢いにきてくれました。泣いて壁にへばりついたり保育士の後ろに隠れている子もいましたが、勇気をだして豆を投げている子もたくさんいました。

勇気をだして鬼に立ち向かう姿は本当にかっこよかったです。

雪情報

2013/02/09

2013年2月9日(土)道路・雪情報

積雪量:5センチ

多いところで5センチくらいの積雪があります。
雪が積もっていないところでも凍結しているかもしれませんので、
十分注意してください。
修養道場までの除雪は完了しています。

   修養道場前 除雪しています

        鞍馬街道

落ち着きのない遺伝子 2

2013/02/08

このあいだからの暖かさから打って変わって、朝から雪が真横に降っています。京都の予想最高気温は3度。この時期らしい寒さともいえます。換気のために開けておいた窓から雪が舞い込んで積もっていました。

「落ち着きのない遺伝子」があるのか?という問いに対しては、ドーパミンD4受容体遺伝子のDRD4-7Rという遺伝子が、好奇心や落ち着きのなさと関連しているとして取り上げられることがあるそうです。しかし、一つの遺伝子や遺伝子群だけで説明できるような単純なものではなく、異なる遺伝子群に由来する形質のなかに、探求に関する複数の性質が含まれているとするのが妥当なようです。

探求心といえば、子どもです。「人間には想像力を伸ばす重要な特徴がもう一つある。それは長い子ども時代だ。」と「落ち着きのない遺伝子」を書いたデビッド・ドブス氏は言います。

人間はチンパンジーやゴリラなどほかの霊長類と比べて離乳が早いことが知られています。離乳は早いのですが、離乳してもすぐに自分で食事を取ることはできず、離乳食を与えられることにはじまり、母親以外の様々な人にも守られ、安全で長い子ども期を過ごします。この長い子ども期は人類の特徴です。そしてこの長い子ども期にする一番大切なことといえば「遊び」です。

もちろん「遊び」はほかの動物にも見られます。それは狩りをするなど生きてゆく上で必要な技能の習得ということがあります。もちろん人間にも、様々な運動機能の獲得としての遊びがあります。しかし、それ以外に、赤ちゃんが「これなんだろう?」と近づき、手で触り口で確かめてみる。時には放り投げたりぶつけたりするような、未知のものへの探求心からはじまる遊びがあります。もう少し年齢が上がると、どうすれば積み木を高く積み上げることができるだろう?うまくセミを捕まえることができるだろう?という探求心に基づき、自分でいろいろと仮説を立てて試すような遊びを多くするようになります。

「こうした遊びを繰り返しながら、子どもは様々な状況や可能性に挑む探求者の資質を育んでゆく」「探求に適した脳が形成され、認知機能が培われるのは子ども時代なのだ。そうした蓄積があり、注意を払えば、大人になってからも新たな挑戦の可能性を見いだせる。」「そして、探求者は失敗を恐れず目の前の可能性に賭ける。」(ナショナルジオグラフィック2013年1月号70ページ)とあります。

子どもたちに冒険家になってほしいというのではありません。世界の不思議に驚き、様々なことを知りたい、やってみたいと挑戦してゆく探求心が最も育つ乳幼児期に育てるべきところをしっかりと育ててほしいだけです。ひとり一人が、好きな仲間と探求心を思う存分満たすことができるような環境を整えたいものです。全てを満たすことが無理だとしても、大人の都合で子どもたちの探求心をつぶしてしまうようなことだけは、してはならないと思います。

にゅーにゅー

2013/02/08

2歳児さんと「うんちしたのはだれよ!」という絵本を読んでいたときのこと、写真のページに来たとき、「あ、おっぱいやおっぱい。。。」「この中にな、にゅーにゅーはいってんのやでぇ」と牛のおっぱいを指さして一緒に見ている仲間に教えてくれました。ものすごくあっているけれど、ものすごくかわいらしい瞬間でした(*^_^*)

雪情報

2013/02/08

2013年2月8日(金)道路・雪情報

積雪量:うっすら

雪がうっすらと積もっています。
雪が積もっていないところでも凍結しているかもしれませんので、
十分注意してください。

      修養道場前

      鞍馬街道

落ち着きのない遺伝子 1

2013/02/07

ナショナルジオグラフィック2013年1月号に掲載されていた「小さな細菌の世界」を読んで、おもしろいと思っていたら、興味を引かれる別の記事が目にとまりました。サイエンスライター デビッド・ドブス氏による「落ち着きのない遺伝子」という記事です。最初タイトルを見たとき「落ち着きのない遺伝子」ってどういうことなのだろうと思いました。

人類がチンパンジーと共通の祖先から別れたのが700万年前、私たちの直接の祖先ホモサピエンスが生まれたのが20万年前のアフリカだといわれています。そして、約7万年まえにアフリカを出て世界中に広がりました。

ドブス氏はライプチヒのマックス・ブランク進化人類学研究所で遺伝学の立場から人類の起源を探っているスパンテ・ペーボ氏のことばを引いています。

「これほど活発に動き回る哺乳動物はほかにいません。」
「今いる場所でも十分生きていけるのに、境界を乗り越え、新天地を目指す。ほかの動物はこんなことはしません。同じ人類でもネアンデルタール人は10万年以上繁栄しましたが、世界各地に広がったわけではありません。ところが、現生人類(ホモサピエンス)はたった5万年で世界中に広がりました。ある意味尋常ではありませんよ。何が待ち受けているかわからないのに大海原へ船を進め、さらに火星にまで行こうという勢いです。私たちは決して立ち止まらない。これは、なぜでしょう?」(ナショナルジオグラフィック2013年1月号61ページ)

ドブス氏は、この私たちを駆り立てる「尋常ならざる探求心」がどこから生まれてくるのだろう?という疑問から、探求心が生来のものとすれば、ゲノムに端を発しているとも考えられる。としています。「尋常ならざる探求心」を持って世界中に広がり、なお火星にまで行こうとしている人類。物理的に移動することではなくとも、未知の領域を明らかにしようとする研究者の探求心も同じです。一所にとどまっていることができずに、新天地を求める探求心に関わる遺伝子があるのではないか?それが「落ち着きのない遺伝子」だというのです。

探求心といえば、子どもです。子どもの間にこの探求心を存分に使って外界を知り、困難に行き当たったときでも、様々な方法を駆使して乗り越えることを考える術を身につけてゆくのです。

「落ち着きのない遺伝子」とても興味をかき立てられるテーマです。

きょうのごはん

2013/02/07

・ごはん

・すき焼き風煮物

・野菜の和え物

・吸い物

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