いろいろな変化がとても早くなっています。子どもの育ちに影響する環境の変化も例外ではありません。家族の形や家庭のあり方も変わっています。少子高齢化と核家族化が進んで、若いお母さんがひとりで子育てを担っていることが多いのではないでしょうか。
赤ちゃんが長い時間お母さんと二人っきりで過ごすことは、赤ちゃんにとっても、お母さんにとっても好ましいとは言えません。赤ちゃんには発達に必要な刺激が少なすぎますし、子育ては若いお母さんがひとりで行うには大変なことです。赤ちゃんの発達には養育者との相互関係が大切なのはもちろんですが、いろいろな子どもと接する機会がとっても大切だと思います。同年代の子、少し年上の子、年の離れた子、いろいろな子がいる中で育つことで、まねをしたり、じっと見たり、面倒を見てもらったりします。こうして子ども同士の関係の中で育つことが大変重要です。
当園でも0歳児たちが、友だちや1歳児、時には2歳児、5歳児といろいろなひとと関わりながらぐんぐんおおきくなっています。子どもの育ちにとって大切な子ども集団が地域になくなってきています。子ども集団を活かすという役割が保育園や幼稚園に求められるようになっていると思います。
来年度の入園者が決定する時期ですが、保育園に入園するには、共働きであったり、介護であったり、保育に欠ける要件(保護者が保育できない)というのが必要になってきます。受け入れ枠が少なくて、入園希望者が多いと、共働き世帯なら、勤務時間が長い世帯ほど優先的に入園できる仕組みになっています。
ところが、この要件は親の都合が最優先されています。あたりまえと言えばあたりまえなのですが、子どもの育ちという側面から見れば、一日のほとんどをお母さんと2人で過ごさざるを得ない、お母さんが専業主婦の家庭の子どもこそ保育に欠けるともいえるのかもしれません。