今朝も厳しい寒さになりました。雪の量はそれほどではありませんが、道路は凍結していました。それでも、太陽が顔を出すとすぐに溶けだします。がんばって雪をどけたり、融雪剤をまいたりしていたのが、嘘のように溶けてしまいます。太陽の力の偉大さを改めて感じました。あたりまえのように朝になったら日が昇ると思いがちですが、お日さまを拝めることのありがたさを感じました。
太陽の暖かさや明るさは、分け隔てなくみんなに届きます。太陽みたいに、どんな人に対しても明るく暖かく接することができると良いと思います。
茶道の初釜について少し書いていますが、茶道は相手のことを思うことが基本にあります。亭主が客のことを思い心を運び、様々に趣向を凝らして迎える。客も亭主の心運びを感じて心を尽くす。そんな関係があります。一期一会と言われますが、相手にどれだけ心を尽くすことができるか、そこが肝心なところなのです。しかし、やることが多すぎたりして余裕がなくなると、心が尽くせなくなります。余裕を持ってひとつひとつ丁寧に取り組むためにはどうすれば良いのか、よく考える必要がありそうです。
茶道初釜のお菓子は、花びら餅でした。先生が毎年苦労して予約してくださるとてもおいしい花びら餅があったのですが、今年からそのお菓子屋さんが花びら餅を作るのを止められたそうです。お正月の楽しみの一つだった花びら餅がないのは寂しいのですが、仕方ありません。
以前もきんとんがとてもおいしいお菓子屋さんが、後継者がいないということでお店を閉められたことがありました。伝統や技術が受け継がれないのは寂しいを超えて、危機感さえ感じてしまいます。そんなことを思っていたら、つくね芋の入ったあんのきんとんの中に黄身あんが入った雪餅が食べたくなりました。この季節にとてもおいしかったのを思い出します。
そんなわけで、いつもの花びら餅が手に入らないので、先生がいろいろなお店のものを比べて選んでくださいました。みんなに少しでも美味しいものをというお心遣いがとてもありがたく、ついつい中途半端になってしまいがちな自分を反省してしまいました。
花びら餅は、蜜漬や甘煮のごぼうと味噌餡を求肥で包んだお菓子で、宮中のお雑煮だといわれています。菱葩ともいい、平安時代に行われていた「歯固」という行事に由来するそうです。歯固はお正月に硬いものを食べることで歯の根を固めて強くし、長寿を願うという風習です。大根、鴨肉、猪肉、押し鮎などをが食べられており、それが簡略化されて餅でつつむようになったそうです。