2012年 11月

表現

2012/11/27

急に冬がやってきて、寒くなりました。さすがに鞍馬では雪は降りませんでしたが、少し北に行った花脊と峠や佐々里峠ではうっすらと雪化粧したという記事が新聞の夕刊にありました。いよいよ雪の季節です。

保育所保育指針の第1章総則 3.保育の原理 (1)保育の目標のなかのひとつに (カ)様々な体験を通して、豊かな感性や表現力を育み、創造性の芽生えを培うこと。 とあります。豊かな感性や表現力は、様々な体験を通してはじめて育まれます。まずは子どもたちが様々な体験ができる環境をどう構成するのか、ドキドキわくわくしながら関わりたくなる環境がどうすれば用意できるのかを考えることが必要なのだと思います。

そして、保育所保育指針第3章保育の内容の 1.保育のねらい及び内容が
(1)養護に関わるねらい及び内容 と
(2)教育に関わるねらい及び内容
の2つに分かれていて、(2)教育に関わるねらい及び内容が
(ア)健康
(イ)人間関係
(ウ)環境
(エ)言葉
(オ)表現
5つの項目で表されています。いわゆる5領域です。「教育に関する内容」とあるので、学校でいう「国語」「算数」などのように「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」という教科を教えなくてはならないように感じてしまうかもしれませんが、そうではなくて子どもの発達を見るための5つの視点です。指針の解説では子どもの発達をとらえる「窓口」という言葉が使われています。子どもたちの活動には、5領域全てにわたる要素が含まれているのです。

子どもたちが、絵を描いたり何かを作ったり、歌を歌ったりすることを「表現」という切り口から見てみようと思います。

「表現」にはこう書かれています。

感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする。

そして、その「ねらい」には

(ア)ねらい
① いろいろな物の美しさなどに対する豊かな感性を持つ。
② 感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。
③ 生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。

とあります。

子どもが様々な環境に関わる中で出会う不思議や驚き、気づきなどに感動することで豊かな感性を育み、その豊かな感性で環境に関わるからこそ心が動かされます。そして、それを誰かに伝えたいという気持ちが生まれる。嬉しい気持ちが歌となって溢れる。身体をゆらして踊りたくなる。心に満ちあふれる何かがあるからこそ、それを様々な方法で表現したくなるのです。

ねらいには「感性を持つ」「楽しむ」と謳われています。この「楽しむ」「楽しく取り組む」ことがあるからこそ子どもの「表現したくなる」が素直に現れるのです。このことが大切なのではないでしょうか。

「楽しむ」ためには一斉に絵を描かせるだけではない、他の方法も取り入れてみる必要がありそうです。

紅葉をさがして

2012/11/27

紅葉が進んだなぁと思えるある日の午後、年長さんと「きれいな景色探し」に行きました。その日は10人だったので、3,3,4の3グループに分かれて、相談開始。

何の相談かと言うと、「どこで写真を撮るか」「どこがきれいか?」の相談。うろうろと歩きながら「どこにする?どこにする?」「わっ、ここがきれいなんちゃう?」「お~それいいね~」などと言い合いながら、グループで決めて一枚パチリ。どうですか?なかなかいいんじゃないですか?

きょうのごはん

2012/11/26

・ごはん

・だしふりかけ

・大豆の五目煮

・野菜の和え物

・吸い物

表すこと

2012/11/26

子どもたちは、絵を描いたり、何かを作ったりするのが大好きです。いろいろなものを作ったり表現して楽しんでいます。心で描いたイメージを形や音にしたいのです。「やってみたい」と思ってやっている子どもはとても集中し、全身全霊をかたむけて取り組んでいます。自分のイメージがどうすれば形になるか、表現できるか試行錯誤しながら挑戦している子どもの顔はとてもステキです。でも、全ての子が同じ時間に同じように絵を描きたいとは限りませんし、何かを作りたいと思っているわけではありません。

ところが大人は、例えばクラスという大人が勝手に決めた集団ごとに一斉に子どもに何かをさせようとしてしまいがちです。「ああしなさい。こうしなさい」と指示を出して大人の思うように子どもを動かしてなにかをさせようとしてしまいます。

そうして、一斉に何かをさせることで、無理にやらされる子が出てきてしまうのです。そんなことが度重なると、絵を描くこと、なにかを作ること、歌を歌うことが嫌いになってしまうかもしれません。子どもひとり一人の何が育って欲しいと願ってそのことをするのか、いつもその原点に戻って保育を考える必要があると思います。

大人の思ったように、何かをさせるのは専門性ではありません。「やりなさい」といってやらせるのであれば誰にでもできてしまいます。ひとり一人の育ちを理解した上で、子どもが「表現したい」と思えるような環境をいかに設定するかが専門性なのだと思います。

食べることを例に出すとわかりやすいと思います。にんじんの嫌いな子がいます。大人が好き嫌いをなくそうと意気込んで、無理矢理にでも食べさせれば子どもは食べます。しかし、それでは「にんじんっておいしい」という味覚が育たないだけではなく、にんじんがもっと嫌いにしてしまうかもしれません。そして「食べなさい」と言われなくなったら、強制されなくなったら食べなくなります。

それよりも周りの人が「おいしい、おいしい」といっておいしそうに食べる方が、「もしかしておいしいのかな?」「食べてみようかな?」という気になって自ら食べ始めます。そうして自ら食べようと思って食べた方が、大きくなってからも食べられるようになるのです。

今、無理矢理子どもの口に詰め込みたいのでしょうか?それとも、将来「にんじんっておいしいな」と思って食べられる子に育って欲しいのでしょうか?

何がしたいのか?原理原則に照らして、よくよく考える必要があると思います。絵を描いたり、何かを作ったり、歌を歌ったり楽器を演奏したりすることだって同じなのではないでしょうか。

ごっこの世界を通して

2012/11/26

最近の1歳児クラスのごっこ遊びを見ていると実に面白くて、自分達が日々経験した事がごっこ遊びの中に入ってきています。

例えば、お弁当デー以来カバンや風呂敷にお弁当入れてお出かけごっこをよくしていて、布のシートを広げると、皆で座って食べるまねをしながら「美味しいね〜。」といっています。

また、最近1歳児クラスだけで、よく行っているお決まりの散歩コースがあり、池の鯉や蟹に出会うのですが、ごっこの中でも「鯉さん来たよ〜オーイ」と言ったり「鯉さんにポイ!ごはんあげよか〜。」「カニさん、石の中にいるかな?」と、子どもたちは本当に散歩に行っているようです。

保育士が石をひとつひとつどけて蟹がいないか見ている姿も真似ながら「いないな〜寝てるかな?」「カニさん、いた。」と、ごっこ遊びも楽しめるようになってきています。

このような生きた体験が、ごっこの世界へとつながり、夢のようなお話が子ども達の間で無限に広がっていて、子どもって本当に凄いなぁ〜と感心します。

大人はこのような子どもの心の言葉をきちんと聞き取り、子どもの心を読み取り、寄り添い、共感し一緒になって喜びたいと思います。

卒園生

2012/11/25

今年も卒園生の交流イベントを行いました。小学校1年生から、中学校2年生までの卒園児に案内を出したら、60名ほどの子どもたちが参加してくれました。中学生も部活や試験前の忙しいなか参加してくれた子もいます。久しぶりに会う子どもたちは、当然ですがみんな大きくなっています。園舎の中に入ってきて「小さい!」と言っている子がいました。本人が大きくなっているので、園児の時に見ていた保育室とはイメージが違うのです。

子どもたちが集まったら、保育園時代を思い出して、みんなでお参りをしてからそれぞれ、自己紹介し、学年別に3グループに分かれて手押し相撲大会が始まりました。当初は室内で行う予定でしたが、今日はとても良い天気だったので、急遽園庭で行うことに。グループごとに大盛り上がりで楽しみました。

子どもたちが楽しんでいる様子を園舎の2階から眺めていたら、なんだか心がとても温かくなってきました。ひとり一人の子どもたちが、それぞれをまるごと認められ、そして他の人も認め、互いに助け合うように育ってくれますように。と思わずにはいられませんでした。

子どもたちを見ていると、3年生・4年生というのはひとつの節目のように思えます。4年生くらいになると体格も大きくなりますし、外見や雰囲気もかわります。3年生というと8歳から9歳の子どもたちです。一般的に8歳くらいまでの発達のすがたがあり、9歳・10歳くらいに節目が来ると言われているようです。4年生の子どもたちの姿を眺めていてそんな話しを思い出しました。ですから、8歳くらいまでとそれ以降では教育方法は異なるべきだという説もあるようです。

日本では6歳になると、ひとり一人の発達の違いに関わりなく、一律に小学校に上がり初等教育をうける仕組みになっていますし、それが当たり前だと思っている私たちには何の違和感もありませんが、世界には小学校に入学する時期を保護者と、教育関係者が相談して決める国が多く存在するようです。また、小学校でいわゆる留年をする子もたくさんいるそうです。その子がその子に適した教育をうけることができるシステムになっているのです。

このイベントは、しばらく会っていない懐かしい保護者に合えることも楽しみのひとつで、みんなで話が弾みます。また、現役の全職員と以前勤めていた保育士が参加してくれました。日曜日返上で参加してくれる職員たちの前向きな気持ちをとても嬉しく思ったのと同時に、わざわざ参加してくれた元職員にもありがとうと言いたいと思います。

  集まってくれた卒園生たち

種蒔きをしました

2012/11/24

まだ青かった黒豆を残して他の作物を収穫した畑に、ほうれんそうと小麦の種を蒔いたことをお知らせしました。

畑のスペースは空いているので、ご指導いただいている農家の方に相談してえんどうまめを育てることにしました。一般的に寒冷地でも温暖地でもない中間地でのえんどう豆の種の蒔き時は10月中旬から11月上旬ぐらいだと言われているので、それと比べても少し遅かったかもしれません。まして、鞍馬はかなり寒いので、ちゃんと発芽するのかどうか少し心配です。それでも、やってみないことにはわかりません。農家の方から、自家採種の種を分けていただき、教えていただいたように種を蒔くことにしました。

小麦とほうれんそうの時のように、地面に生えている草を少し取り除き、種が置きやすいように鍬で地面を撫でるようにして平らにしてから、3粒くらいを約50センチ間隔で蒔いてゆきます。後は薄く土をかけて、先ほど取り除いた草をかけておくだけです。これが正解なのかどうかはよくわかりませんが、種蒔きはできました。

実は、えんどう豆と一緒に農家の方がにんじんの種も送ってくださいました。にんじんの種を見るのは初めてだったので、その小ささに驚きました。にんじんの蒔き時は春先のように思いましたが、せっかく送っていただいたし種も大量にあるし、少し蒔いてみようか思って蒔いてしまいました。

あとで、農家の方に確かめたら、やはり種を蒔くのは3月頃が良いそうです。どうなるのかなと思いますが、にんじんの発芽に適した温度は20度くらいだそうなので、発芽はしないかもしれません。もし発芽しても、とても時間がかかってしまい、発育するには気温が低すぎるのでしょうね。

そんなことをしながら、小麦とほうれんそうを植えたところを見てみたら、なんと、両方とも小さな芽がたくさん出ていました。思わず嬉しくなってしまいました。それにしても、ついこの間植えたばかりなのに、こんなに早く元気に芽が出るとは思ってもいませんでしたので、嬉しいのと同時に種の力を見せていただきました。

忍者ごっこ

2012/11/24

忍者ごっこがだんだん本格的になってきたれんげぐみ!!(3歳児)

絵本や紙芝居から情報を仕入れてはごっこ遊びの中で再現しています。

忍者に対する興味が絶好調の中、忍者の歌に振りをつけて踊ってみたところ一回で振り付けを覚えてしまった子ども達、スゴイ!!と思いました。

「おうちでお母さんと手裏剣を作った!!みんなでこれで遊ぶネン!!でも四つしかないねんなぁ・・・」と可愛いことを言うM君。

薄暗い道場を恐がる子が数人いる中、「これつけてるから恐くないで!!」と忍者のように手足につけたネットをみせてくれるS君。

忍者はこうやって走るねん!と年長児に教えてもらってからずっとそのフォームで走るH君。

忍者のダンスの振り付けの一部分がちょっと違うと思ったSちゃん、「ここはこうやで」と意見してくれたり・・・と楽しいエピソードが日々盛りだくさんです! 

しばらく忍者になりきって楽しんでいきたいと思います。

さる 来る

2012/11/23

前にも書きましたが、このところ園の周りに頻繁に猿が出没しています。これまでなら、猿は人間を警戒して容易には近づいてきませんでした。子どもたちが園庭で遊んでいたら、遠くから見ているだけで近寄ってくることはありませんでしたし、園庭入って来ていても誰かが外に出てゆくと逃げるなど、猿が自ら人間とのある程度の距離を保っていました。

ところが、今回は少し様子が違います。猿の方から人間に近づいてくるのです。子どもたちが園庭で遊んでいると、近づいてくるので子どもたちの方が園舎に入っています。窓越しに見ていたら、窓ガラスにくっついてきたりもします。

何よりも子どもがけがをすることがあっては大変なので、園内での安全確保には細心の注意を払っています。しかし、子どもたちが登降園する時にも近づいたりしているので、ちょっと困ったものです。保護者の車の上に乗ったり、ミラーを鉄棒代わりに遊んだりもしています。

一日だけのことであれば、さほど気にしなくて済むのですが、何日にもわたると、やはり困ります。区役所に相談したら、爆竹で追い払うくらいしかないと、爆竹を少しわけていただきましたが、あまり効き目はなさそうです。お寺にお参りされる方がたくさんいらっしゃるところで、頻繁に大きな音を出すのもむずかしいかもしれません。

よく見ていると、もしかすると以前人間に飼育されていたのではないかと思われるところもあります。何の警戒心もなく近寄ってきては、人の目の前で前転したり、足にじゃれついてきます。かわいらしいものなのですが、いつ噛みついたり、ひっかいたりするかわかりません。

以前のように猿の方から適度に距離を置いてくれていると良いのですが・・・どうすれば良いか苦慮しています。まさか捕まえて飼うわけにも行きません。かといっていつも追いはらっていては、子どもが「さるは追いはらうもの」と思ってしまっても困ります。

何か良い方法はないものでしょうか?

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