フランスは文化を大切にする国であり、食文化についても例外ではないと思っていましたし、今もそれがしっかりと守られていると思っていましたが若い世代を中心に変化が起こってきていることを聞いてちょっと驚きました。
しかし、そんな状況が放置されているわけではなく、昨日も紹介したようにフランスでは2001年に栄養健康国家計画を策定しました。日本で食育基本法の成立は平成17年(2005年)なので、フランスでは早くから食育に取り組んでいるのです。
在日フランス大使館のホームページにあるフランスの食育政策には、「正しい食習慣を教える」として、栄養や食習慣について子どもが最初に食習慣を身につける幼稚園や小学校から取り組まれており、食事時間の規則正しさ、献立の構成、食生活における有益・有害な行動について取り上げるようにカリキュラムで定められていることが書かれていました。その中で興味深かったのが味覚教育です。味覚教育については次のようにあります。(以下引用)
味の違いを判別し、味の感覚を話す能力は、学び、培うものである。学校は味覚の発達において、重要な役割を担っている。学校は文化遺産である料理の価値や、味と栄養の両面で質の高い食品などを教えることも目的としている。
学校や関係機関は全スタッフを挙げて、こうした教育方法に取り組んでいる。味覚教育活動は授業や様々な活動を通して、時には外部の有資格者の協力を得て行われる。例えば、毎年10月に開催される味覚週間では、料理の専門家が実際に教室に来て、プロの情熱や技を伝えている。
料理を文化遺産ととらえていることが共感できます。もちろん日本の食育基本法にも食文化の継承が謳われています。日本食と日本の食文化は世界中でその価値が認められています。農水省は2011年に日本食文化世界遺産化プロジェクトを立ち上げて世界遺産無形文化遺産登録を目指しています。フランス美食術は既に社会的慣習として登録されているそうです。
食育は、保育の一環として食事を提供している保育園では行いやすいと思います。特に五感のうちの味覚は、食事の場面でもっとも経験しやすい感覚です。当園でもそこのところをもっと深めてゆこうと思います。