5月10日夕方、テレビのニュース番組で、赤ちゃん先生というタイトルのニュースが流れていました。不登校になってしまった高校生が通っている場所に、赤ちゃんが訪れるというものでした。高校生たちは、ぎこちない仕方で赤ちゃんをだっこしたり、あやしたりしていました。ふれあいが終わってから感想を聞かれた高校生は「めっちゃかわいい!」「また来て欲しい!」と満面の笑顔で応えていました。赤ちゃんとふれあうことを通して、感じること、学ぶことが多いのではないかということから行われた試みだったようです。赤ちゃんが高齢者の施設を訪れるケースも紹介されていましたが、赤ちゃんに接したお年寄りは一様に笑顔になっておられたようです。
赤ちゃんですから、もちろんお母さんがいらっしゃるわけですし、お母さんは大変ではないのだろうかと思っていたところ、お母さんの視点から見たこのとりくみも紹介されていました。私はさぞかしボランティア精神旺盛なお母さんで、そういう意識で活動していらっしゃるのだと思い込んでいました。ところが、お母さんも「こういう機会に外出することで、気分転換になってうれしい。それまでは子どもが泣いたらどうしようと思って電車に乗るのが怖かった。」「外出できなかった。」とおっしゃっていたのに少し驚きました。子どもを連れての外出がそれほど負担に思う人もいるのだということです。確かに片手に子どもをだっこして荷物をいっぱい持って大変そうなお母さんを町で見かけることはよくあります。周りの人も助けてはくれるとは思うのですが、それは負担なのでしょうか。子育て中のお母さんにも子どもにも負担が少ない社会であると良いなと思います。
また、お母さんは「赤ちゃんとふれあうことで、お年寄りが心を開いたり、高校生が笑顔を見せてくれるのが、うれしい。」ともおっしゃっていました。まさに赤ちゃんパワーです。
こういったとりくみが、赤ちゃんを育てるお母さんにも孤独感から解放される機会となっているのですね。
赤ちゃんがかわいく見えるのは、赤ちゃんの戦略だそうです。大人が世話をしたくなるように、かわいくできているのです。赤ちゃんには大人にはない能力がたくさんあるのです。もしかしたら、人の心を開く力も持っているのかもしれませんね。