園で避難訓練が行われていました。担当の保育士が、今から地震が起きた想定で避難訓練をします。と知らせに来てくれたので、見に行きました。0・1・2歳児はみんなそれぞれに机の下に頭を隠して小さなおしりを並べ、地震が収まるのを待っていました。
3・4・5歳児はといえば、頭を守って、じっとしていました。地震が収まったので、みんなでランチルームに集まり、担当の保育士に地震の紙芝居を読んでもらっていました。子どもたちはみんな真剣に聞き入り、保育士の質問にも答えています。
私は、子どもたちがどれほど自分で考え、判断しているのか知りたいと思い、紙芝居が終わってから、少し時間をもらって3・4・5歳児と話をしてみました。
紙芝居の中で「倒れそうな物や落ちてきそうな物には近寄らないで」という話があったので、この部屋の中には、どんな倒れたり落ちてきそうな物があるか。と聞くと子どもたちは部屋を見渡して、ピアノ、雛飾り、壁掛け時計、壁に掛かった絵など、祭壇など的確に答えてくれました。障子の向こう側にある跳び箱も危ないと言ってくれた子もいました。
また、紙芝居には「頭を守って」という話も出てきたので、「みんなは何で頭を守る?」と聞くと、3歳児のYくんは「ボックス」と答えました。ボックスとは、子どもたちが自分の着替えを入れているプラスティックの箱で、それを頭にかぶると良いというのです。確かにヘルメットのようになりますし、着替えの服を何枚か使えば頭との間のクッションにもなります。よく考えたものです。
「では、今地震が起こったらどうする。自分で考えて動いてね」と言い終わるか終わらないうちに「地震です!」というと、子どもたちは、一斉に机の下に入ろうとしました。しかし小さな机なので、全員が入れるわけではありません。なんとか机の下に入ろうとする子もいましたが、無理だとわかるとすぐにイスで頭だけを被うようにした子もいました。
いつもは、保育士の指示で動いていますが、子どもが自分で考え判断するとどうなるのかと思ったので、子どもと相談してみると、子どもなりにいろいろなことを考えていることがわかりました。たとえ、保育士が指示を出すとしても、訓練のたびに子どもたちが考えられるようなことばがけをしてみると良いのかもしれません。そうすれば、なぜそうするのかが理解しやすいですし、子どもなりの良いアイデアも出ると思います。