鞍馬小学校に柔道部があり、子どもたちが練習に励んでいることは以前のブログにも書きました。この子たちが日頃の練習の成果を発揮する場が年に3回あります。夏の京都市学童柔道個人選手権大会、秋の京都市学童柔道大会、冬に行われる耐寒学童柔道大会です。11月3日第51回京都市学童柔道大会が岡崎の旧武徳殿で開催されました。
武徳殿は平安時代に大内裏に建てられた殿舎で、演舞や競べ馬が行われる場所でした。現在、京都岡崎の京都市武道センターにある旧武徳殿と呼ばれる建物は明治32年(1899)に造営されたもので、現在は国の重要文化財に指定されています。そんな由緒ある建物で学童柔道大会が行われるというのも意義深いことです。快晴に恵まれた当日、最高気温23度という11月にしては暑い日になり、武徳殿の内側に開く蔀が全て開けられていました。開会式前から打ち込みをする子どもたちの額には汗粒が光っています。
午前中は個人戦が行われますが、これは順位を決めるのではなく、1人2戦する形で行われます。200名あまりの子どもたちが学年ごとに、同じくらいの体格のこと対戦できるようになっています。鞍馬小学校から出場したほとんどの子が1勝はしていました。町道場に通って練習を積んでいる子が多い他校の子どもたちに比べ、練習時間も短く、練習相手も少ない鞍馬小学校の子どもたちはよく頑張ったと思います。
午後は学校対抗の団体戦、こちらはトーナメント形式で優勝校が決まります。鞍馬小学校も少ないメンバーから5名を選手登録して初戦に臨みます。初戦は不戦勝1人を含め全勝で2回戦進出、保護者の応援にも熱が入ります。学校からも校長先生、教頭先生のほか2人の先生がいらしてくださいました。団体戦2回戦は強豪校とあたって、2勝3負と惜しくも敗れましたが、主将の6年生は圧倒的な強さで相手の主将を下していました。
こういった試合となるとどうしても勝敗が気になるところですし、子どもの達成感という意味で勝つことは大切な要素のひとつですが、鞍馬小学校の柔道部は少し変わっているかもしれません。それは指導者のこんなことばに表れています。
試合の勝敗なんてどうでもいい。柔道は相手が自分より強ければ負けるし、弱ければ勝てる。勝てる試合は勝てば良いけど、大切なのは負ける試合。自分より強い相手に対して自分がどれだけのことをできるか、強い相手に対して怖がらず、自分の技をかけてゆけるかそこが大切なんだ。
試合で相手に勝つことも大切ですが、それよりも自分の弱さに打ち勝って強い相手にでも技をかける勇気や、辛くても自分から積極的に練習に取り組む、そんな心の強さを柔道を通して子どもたちが育んでほしいという願いがあるのです。
最初の試合が始まります
団体戦に臨む鞍馬小学校柔道部