園長ブログ

春の畑

2013/03/19

暖かくなってきたので、畑はどうなっているのだろうと思って、久しぶりに畑に行ってみました。真っ先に目に入ってきたのは、ずいぶんと伸びて背が高くなった小麦の様子です。30センチくらいに伸びて、茎や葉も太くなり青々としてきました。これからもっと暖かくなってくると、どう育ってくれるのかとても楽しみです。小麦の育て方を調べてみると、ずいぶんといろいろなことに気をつかわないといけないように書いてありますが、当園の小麦は今のところ種を蒔いただけで、あとはほとんど何もしていません。そういえば少し前に伸びかかった穂を踏んだくらいです。

ほうれんそうは、ほんの少しだけ大きくなっていました。種を蒔くときに少し過密に蒔きすぎたので、そろそろ間引きをしたあげた方が良いのかもしれないと思っています。何度も雪をかぶり、凍てつくような寒さにも耐え、少しずつ少しずつ大きくなってきたのだと思うと、とても愛おしくなります。ほうれんそうたちがこれからどうなってゆくのかわかりませんが、立派に大きくなっても収穫して食べることができないかもしれません。

えんどう豆もまだまだ小さいのですが、以前と比べるとずいぶん大きくなりました。種蒔きをするのが遅く、十分な大きさになる前に、真冬を迎えてしまったので、これからどれくらい成長するのかちょっと心配です。えんどう豆を種蒔きしたときには、3〜4粒ずつ蒔くと良いといわれてそうしたのですが、それには理由があるそうです。えんどう豆の1つのサヤには3〜5粒くらいの豆が入っています。自然の状態ではそれがそのまま地面に落ちて、芽を出します。自然に近い状態にしてあげることで、発芽しやすくなるのだそうです。あたりまえといえばあたりまえかもしれませんが、おもしろい気がします。

畑には、私が植えた以外の様々な植物が芽を出して来ています。あっという間にいろいろな植物が共存するジャングル状態になるのだと思います。いろいろな植物や動物がお互いに助け合って生きてゆく、そんな畑になるでしょうか・・・

     小麦(1月29日)

     小麦(3月 17日)

    ほうれんそう(1月29日)

     ほうれんそう(3月17日)

     エンドウ(1月29日)

     エンドウ(3月17日)

近づく春

2013/03/18

  ムササビが食べたツバキのつぼみ

お彼岸に入り、昼間はずいぶん暖かく過ごしやすくなりました。季節は少しずつ、しかし着実に進み、自然の姿も変化してきています。まず、日の光が明るくなりました。景色も違って見えます。山の木々も芽吹きの準備をしているのでしょう、幹や枝の色が違ってきています。桜の枝先の花芽が少し大きくなってきています。他にも山の自然はそれぞれに春に向けて動き出しているようです。ムササビにかじられた椿のつぼみが落ちているのを見つけました。中心部分は食べられていましたが、食べられる前は小さな赤い花びらが詰まっていたでしょう。

園庭に目を向けてみると、しいたけがたくさん出てきて、冬の間よりも、早く大きく育ちます。このしいたけは地域の方がご協力を得てホダ木に菌を植えたものです。それも何年も前です。それ以来ずっとしいたけが実っています。

先日、2歳児の子どもたちがしいたけの軸をちぎっていました。園庭で大きくなるまで待っていたのを取ってきて食べようというのです。

  しいたけの軸を取って洗います

軸を取って、さっと洗ったしいたけを保育士がお鍋で炒めるようにして焼いていました。醤油の香ばしい香りが食欲をそそります。焼けたしいたけを子どもたちはおいしそうに食べていました。普段はキノコ類が嫌いな子でも、このシイタケは食べるそうです。やはり、自分で園庭から取ってきて、すぐに調理して食べるものはおいしいのでしょう。

しいたけを収穫して調理場で調理してもらうのも良いのですが、子どもの目の前で調理して食べることが特別おいしいのです。この一手間を惜しまずに子どもたちに提供するからこそ、いつもは食べられないものが食べられたりするのです。子どもが自分から食べてみようと思うのです。ここが大切なところですね。
                                                                                                                      

     おいしくなーれ!

やきいも 3

2013/03/17

朝の冷え込みはまだまだ厳しく、今朝の気温は1度でした。2日ほど前は氷点下3度で真冬並みの冷え込みでした。園庭の水道が凍結しないように水を抜いているのですが、まだしばらく復旧できそうにありません。それでも昼間はずいぶん暖かくなりました。お寺の本殿前にある紅梅も昨日からちらほら咲き始めました。白梅はまだもう少し時間がかかりそうですが、春は一歩ずつ確実に近づいています。

虫眼鏡で太陽の光を集めてあそんでいるあいだに、やきいもが焼けたようです。火の中から取りだして、竹串をさして焼けたかどうか見てみようとしましたが、竹串がなくて、用務員が小枝を削って竹串のようにしていました。

どうやら焼けているようなので、アルミホイルと新聞紙を外すと、中からまるで蒸したようなきれいなさつまいもが顔を出しました。半分に割ろうとすると割りにくいくらいのやわらかさになっています。もう少し力を入れて割ると、中は黄金色でとろとろです。子どもたちは、思わず「ぅわー!」と声にならない歓声を上げます。こちらも「おいしそー!」とことばが口をついて出てしまいました。本当においしそうです。こんなにおいしそうに焼けたのはめずらしいことです。20本近く焼いたおいもは多少の差はあるものの、どれもうまく焼けました。

子どもたちは園庭の思い思いの場所に友だちと座っておいもを味わいます。大人もいただくことにして、室内にいる職員にいくつかお裾分けをしたあと、食べてみました。とろけるようなやわらかさと、まったりした甘さが口の中に広がり、思わず笑みがこぼれます。子どもたちも黙々と食べてお代わりまでしていました。とってもおいしかったやきいもを子どもたちと焼いて一緒に食べることができてとても幸せでした。また、挑戦したいと思います。

やきいも 2

2013/03/16

おいもが焼けるのを待つあいだ子どもたちは思い思いに遊んでいました。
毎年やきいもをするときに、天気が良ければ、虫眼鏡を使って日光を集めると紙が燃えるということを子どもたちと不思議が手います。「やきいもが焼けるまで新聞を読もう。字が小さくて見にくいから虫眼鏡がいるなー」といいながら虫眼鏡を取り出すという変な演出も加えて、新聞を読むふりをしながら、太陽光を新聞紙に集めてみました。その日は雲一つない快晴だったので、太陽パワー全開です。光を集めると、あっという間に煙が上がりました。

「あー!なんか燃えてる!」「せんせ、大変や!煙が出てるで!」新聞紙の異変に気がついた子どもたちが口々に言います。虫眼鏡を外してみると見事に新聞が焦げて穴があいています。「えっ?! なんでやろ?」と大げさに驚いてみせると、子どもたちも一生懸命考えています。「先生が火をつけたの?」と私の顔をのぞき込む子「なんでやろ?」と考え込む子もいます。そのうち「虫眼鏡を使ってるしや!」と誰かが言いだしたことをきっかけに、新聞紙から煙が出る様子をじっと見つめながら、「お日様の光が集まってる」と気づく子がいれば、「ほんまや、光が集まってるところはめっちゃあかるい。」とどんどんいろいろなことに気づいてゆきます。

どこで、子どもたちに説明しようか、しないでおこうか考えましたが、「お日様の光が集まるということは、暖かさも集まるのかなと」言ってしまいました。「そっかー!」と納得した様子の子も、まだ不思議そうな顔をしている子もいましたが、その後興味を持った子どもたちが自分たちでやってみたいと言ったので、危なくないように気をつけながら、一緒にやってみました。。実際に子どもがやってみると、うまく光が集まりません。なぜなのか考えていろいろやってみて、虫眼鏡の角度が適切ではなかったことに気づいていました。その過程で、虫眼鏡で集められた太陽の光が新聞紙の上で様々なかたちに変化することを発見していました。

私は、すぐに一つの答えにたどり着こうとしますが、子どもたちは試行錯誤する過程をひとつひとつ楽しんでいるのだと気づきました。

もちろんこの実験を、子どもたちだけでやってはいけないことは、しっかりと伝えました。

やきいも 1

2013/03/15

卒園を間近に控えた5歳児たちと、過ごす時間をいただきました。秋以降、5歳児たちはお昼寝をせずに過ごしているので全保育士が交替で、5歳児の午後の保育にあたっています。子どもたちは卒園を前に先生みんなと過ごす時間を持つことができます。小さな園なので、普段から一緒には過ごしていますが、保育士もそれぞれに5歳児との時間を楽しんでいます。私も以前は何日か担当して散歩に行ったりしていたのですが、今では1回だけしかできませんし、その1回さえもどうにか時間を作ることができたという感じです。

この時間に子どもたちと一緒に行っていることと言えば、やきいもです。前日にはさつまいもを買いに行っていろいろ準備をしようと思っていたら、急な用事ができてさつまいもを買いに行けなくなってしまったのでどうしようかと思っていたら、担任がちゃんと買ってきてくれました。

私の担当は午後1時からなのですが、午前中の幼児が長引き、薪を用意して園に行ったが直前になってしまいました。子どもたちにさつまいもをアルミホイルで包んでもらっている間に火を起こそうかなどと考えながら、園に行くと用務員さんが園庭に少し穴を掘って、既に火をおこしてくれていていました。みんな段取りの悪い園長を黙ってサポートしてくれているのです。ありがたいことです。

子どもたちと、さつまいもを洗い、新聞紙でくるんでから新聞紙を水で濡らし、その上からアルミホイルで包んでいる間に火加減がちょうど良くなりました。どんな方法が良いのかわからないのですが、まず、薪を燃やして炎が落ち着いたところに、アルミホイルで包んださつまいもを入れて、炭のようになった薪を被せ20分ほど焼きます。落ち葉があるとその上にかけることもあります。以前は地面に薪を置いてたき火をしていたのですが、地面に穴を掘ってそこで薪を燃やすと効率的にできて後始末も簡単だと保護者に教えていただいてから、そうしています。

火加減がちょうど良くなって準備ができたら、子どもたちが順番にさつまいもを火の中に入れてゆきます。平気で火に近づく子、ちょっと怖い子、煙が目に入って痛がる子、それぞれにどきどきわくわくしながらさつまいもを火に入れていました。みんなで、「おいしく焼けてね」と声をかけ、おいもが焼けるまで遊んで待ちました。

洛北福祉まつり 2

2013/03/14

「ささえあおう 私たちのいのち」というテーマのもと、みんなが集える場作りを目的として開催された洛北福祉まつり、多くの人が様々に関わり、それぞれに楽しみながら参加していらしたように思います。

会場となった市原野小学校体育館のステージの上でのパフォーマンスは、市原野小学校児童のコーラスからスタートし、歌やおどり、健康体操、楽器演奏などが終了まで続けられました。

体育館内のブースでは各学区の社会福祉協議会の紹介、施設、医療機関の展示、販売コーナーでは地元の野菜や手作りのお菓子や雑貨、佃煮などが売られています。遊びの広場では、子どもたちを対象におもちゃ作りやわら草履作りが行われていました。また、地震、震災を考えるコーナーでは、花折断層のことや起こりうるであろう東南海地震について詳しく調べた資料が紹介してあり、様々な地震の記録映像が放映されていて、改めて地震について考えるきっかけとなりました。コーナーを担当された方にお話を伺うと、ずいぶん時間と労力をかけて調べられたそうです。「大変だったけれども、おかげで地震についてずいぶん勉強ができた。」とおっしゃっていました。なんでも前向きのとらえて学びに変えてしまうことができるのはすばらしいと感じました。

会場は体育館だけではありません。音楽室では市原野に伝わる「鬼童丸伝説」のオリジナル影絵の上演や、鞍馬の火まつりのDVD放映、東日本大震災関連のDVDの放映。図書室では地域包括支援センターなどによる、体力測定、高齢相談、介護予防のコーナーがあります。

中庭に設置されたテントでは、カレー、うどん、たこやき、おもち、みたらしだんご、フランクフルトなど食べ物の販売コーナーがありました。

小雪が舞い真冬が逆戻りしたかのような天気でしたが、寒い寒いと言いながらも、スタッフの皆さんも、参加者の皆さんもとても楽しそうでした。

スタッフといえば、前日の準備や、駐車場整理、シャトルバスの運転など、多くの方が力をあわせていらっしゃる姿には心が動きました。鞍馬からもボランティアスタッフの方がたくさん参加して、すばらしい機動力で活躍していらっしゃいました。

当日は予想を遥かに上回る1,000人近い来場者があったようで、大盛況でした。いろいろな人が楽しみながら力を発揮することで、大きな楽しみが生まれる。みんなが楽しむことが大きな力につながるのです。

子どもだって、楽しい、やってみたいという思いを持って、熱中することが集中することのたのしさや、達成感、そして自信につながってゆくのだと思います。

洛北福祉まつり 1

2013/03/13

今月の初め、正確には3月3日 日曜日に、洛北福祉まつりという催しが開催されました。左京区の中北部に位置する8学区の社会福祉協議会や関係機関が中心となって運営する「洛北福祉まつり」は、子どもから高齢者まで、しょうがいのある人も、ない人もだれもが気軽に集える「出会いの場」を提供するという催しです。

そして今年のテーマは、「ささえあおう 私たちのいのち」 みんなが支え合って生きていること、そのつながりを強めたり、新たなつながりがみつかる場にしてゆこうという趣旨です。

東日本大震災を機にみんながささえ合って生きてゆくことの大切さが、強く再認識されています。ですから、災害の理解やもしもの時にはどうすれば良いのかといった視点も盛り込んだ啓発も行われました。

住民どうしだけではなく、地域の福祉施設、医療施設の皆さんも、ともにつながることができれば良いという趣旨から、地域の福祉施設や医療機関の皆様も積極的にブースを設けていらっしゃいました。

具体的には8学区の社会福祉協議会の紹介、各学区や福祉施設、医療機関で利用者の方々が作られた作品の販売などをする販売コーナー、児童館産などが提供する体験コーナー、飲食コーナー、視聴覚コーナー、震災について学ぶコーナーなどなど盛りだくさんの内容でおこなわれました。

2013/03/12

先日、園の玄関前まで来たら、何だかいつもと雰囲気が違います。なぜだろうと辺りを見回すと、塀にくっついているではありませんか、新しい郵便受が。

前の郵便受は20年以上使っていてかなりみすぼらしいことになっていたので、用務員さんが作り直してくれたのでした。材料はお寺からいただいてきた杉板です。当然ですが、設計段階からいろいろなことを考えていました。A4の封筒が余裕を持って入ることを前提に縦横高さの比率、子どもが取り出せる取り出し口の形状と取り付けの高さなどなど。散歩から帰った子どもたちは、郵便物があれば、私の所まで持って来てくれるので、子どもが確認できて手が届く高さが良いのです。

完成した郵便受けは細部にこだわりが見て取れます。上面の蓋を開けて郵便物を取り出す形なのですが、蓋が閉まるときに大きな音がしないようにクッション材が貼ってあったり、郵便物が入っているかどうか一目でわかるように前面に丸い穴をあけてあります。この丸い穴もきれいに面取りがしてあって、質感アップにつながっています。ちなみに子どもたちはこの丸い穴を「小鳥のお家」と呼んでいます。そして〒マーク。

この郵便受けのおかげで、玄関周りの雰囲気ががらっと変わり、とても落ち着いた雰囲気になりました。ちょっとしたことで環境が大きく変わります。保育室の環境ももう一度見直してみる必要がありそうです。

     お手紙あるかな?

お別れ遠足 5

2013/03/11

楽しかったお別れ遠足。みんなでお礼を言って博物館を後にしました。帰りの車の中では、みんな疲れて眠ってしまうかと思いましたが、楽しさはそのまま続きます。

卒園式でうたう歌の合唱がはじまりました。この子達と園で過ごすのもあとわずかと思うと、少し寂しくなると同時にいろいろな思い出が浮かんできます。この1年をふり返ってみても、みんなで力を合わせていろいろなことに取り組んできました。おとまりほいく、運動会に発表会、みんなで話し合い、みんなで決めて、力を合わせてきました。

最初は自己主張が強くてぶつかるだけだった話し合いも、他の人の意見をしっかりと聞くことの大切さにも気づいてきました。というより意見をぶつけ合うことを経験して、自然にそうできるようになってきたのかもしれません。おとなは、いつまでも先入観にとらわれ、わだかまりをかかえてしまいがちですが、その点子どもたちはとても素直です。

車内の歌声は卒園式の歌からいつの間にか替え歌になっていました。おもしろおかしい歌詞とメロディーを即興でつくって歌います。目に入ったものを単純に歌詞に取り込むので、私が頭をかいているのを見つけて♪園長先生が頭をかく〜♪と歌います。ちょっと遊ぼうと、頭をたたいてみたり、肩をたたいてみたり、いろいろなことをするたびに、いちいち歌にしてくれます。そんなことをしていたら、肩が凝っている自分に気づいて歌に関係なく肩をただいていたら、それもまた歌にしてくれました。

翌朝、ある5歳児の保護者にお目にかかったので、お別れ遠足が楽しかったことを話していたら、「うちの子どもが園長先生のこと心配していましたよ。」とおっしゃいます。「園長先生疲れたはるんかな?」「だって肩とかたたいたはったし・・・大丈夫かな?」と心配してくれていたようなのです。正直、驚きました。確かに私は少し疲れ気味で、肩をたたいていました。それを、こどもがちゃんと見て感じていたこと。ちょっとした仕草くらいのことから、「疲れてるのかな?」と私に思いを運んでくれていたのです。その話しを聞いて、とても暖かな気持ちになりました。ありがとう。

同時に、「子どもに心配かけて、どないすんねん?」とも思いました。

お別れ遠足 4

2013/03/10

琵琶湖博物館の水族展示でいろいろな魚を見ていたら、おなかがすきました。気がついたらお昼です。とてもいいお天気だったので、芝生の広場でみんなで丸く輪になってお弁当にしました。青い空と雪を頂いた比良山を遠くに眺めながらの気持ちいいランチです。天気予報では暖かくなると言っていたのですが、琵琶湖を渡ってくる風が思いのほか冷たくて、本格的な春はまだ先です。みんなで一緒に食べるお弁当はこれが最後。まるく輪になってみんなの顔を見ながら食べると、おいしさとうれしさが膨らみます。

おべんとうの後は、もう一度博物館に戻って展示を見ました。約2億5千万年前からの自然環境を、年代を追って、琵琶湖前史、琵琶湖の生い立ち、古い琵琶湖から現在の琵琶湖へと示してあり、「ゾウのいた森」というジオラマ展示は約200万年前の琵琶湖周辺の環境が再現したり、子どもたちは興味深げにしていました。

続く展示室では琵琶湖と人間とのかかわりの歴史を、湖底遺跡、湖上交通や漁労の様子および治水・利水への取り組みなどを通して理解できるようになっています。子どもたちは展示室のまん中に置かれた大きな丸子船に興味を持ったようで、みんなで近づいて見ていました。

次は「湖と人間」というメインテーマに基づいて、琵琶湖地域の自然と人とのかかわりや相互作用の展示がされています。子どもたちに人気だったのは、「農村の暮らしと水」というテーマの展示です。彦根から移築された富江家の住宅を1964(昭和39)年5月10日を想定して、できるだけ当時のくらしのままに復元されたものです。その中でも興味を持っていたのは、村のなかを流れる水路(カワ)の水をとりこんだ、カワヤとよばれる洗い場です。水道のない頃はこのようにして水を使っていたということをめずらしく思ったのかもしれません。

その後、上下水道ができて自分たちの使う水がどこから来てどこへ行くのか、わかりにくくなってしまいました。子どもたちと一緒に、台所や洗面所、トイレで使った水はどこに行くのかを考える事ができる展示もあり、普段何気なく使っている水の大切さ、ありがたさに心を運ぶ子がいたと思います。

子どもにとっても楽しいし、大人にとっても興味深い展示ばかりで、もっと時間があれば良かったと思うくらいみんな楽しんでいました。

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