他人の喜ぶ姿と苦しんだり悲しんだりする姿のどちらが見たいと思いますか?「喜ぶ姿」と答える人が多いのかと思いますが、もしかして自分の心のどこかに、誰かの幸せを妬んだり、哀しみや苦しみを喜んでしまうところはないでしょうか。妬みの感情を持ったときに活発に活動しているのは脳内の前部帯状回という部分だということがわかっているそうです。前部帯状回は、血圧や心拍数の調節などの自律的機能の他に、注意機能といった認知機能や大脳辺縁系の一部として情動反応、また痛みや葛藤の処理にも関わっているそうです。ですから、妬みにだけ関係しているわけではないようで、妬みを含む
また、他人の不幸を喜んでいるときに活発に反応しているのが、脳内の線条体という部分で、運動機能に関わると同時に、心地よい感情や意志決定など情動や認知過程にも関わると考えられているようです。
この2つは密接に関係しています。他人の不幸を喜んでしまうのは、どんな人に対してでも喜ぶのではありません。妬みを持っている人に不都合なことや、不幸が起こったときに、喜ぶようです。それまで妬んでいた相手に対して持っていた劣等感が優越感に変わる感じなのでしょうか。
そして、妬みに関連する前部帯状回の活動が高い人ほど、他人の不幸に対して線条体が強く反応するのだそうです。
他人の不幸を喜ぶなんて、よくないことだといわれそうです。しかし、この機能は私たちが生きてくる上で必要なことだったのかもしれません。誰かの優れたとところをみて、「ああなりたい」とか「まねしてみよう」といった前向きに変えることができるとよいのではないでしょうか。