鞍馬小学校で認知症について知るための小学生向けのプログラムを小学生と地域の方々と一緒に体験しました。このプログラムを通して考えたことは、子どもたちが、いろいろな人がいるということを知ってくれると良いということです。人はひとり一人違うということ、それがあたりまえで、それを理解し認めることが大切なのだと子どもたちが思ってくれればうれしいという思いを持ちました。
教材の映像では、部屋の中にはおばあちゃんひとりしかいないのに、お客さんにお茶を持ってきてというおばあちゃん、もういないおじいちゃんの病院に行くというおばあちゃんの姿が出てきました。それに対して何か変だなという疑問を子どもが持つのはとても自然なことでしょう。ですが、それもおばあちゃん自身だし、認知症という脳の病気で、忘れたり、わからなくなってしまっていることが多いのだ。そうではないいままでのおばあちゃんもいるのだから、そこを大切にして、おばあちゃんが困っていたら、困っているところを助けてあげられたらいいな。くらいに思ってくれると良いと思います。
なにも、違いは認知症だけではありません。年齢や性別、しょうがいの有無、健康かそうでないか、違いはいろいろあると思います。そのことを理解し、受けとめることを子どもたちには学んでほしいというより、皮膚感覚として感じていてほしいと思います。そのためには、いろいろな人が身近にいるという環境が大切です。ひとり一人違うひとり一人をお互いに認め合い活かし合うことを心地よいと感じてほしいと思います。もちろんそのためには私たち大人がモデルになれるようにしたいものです。
みんな違うとわかってはいても、どうしても、他の人も自分と同じように考えるのだろう、そう考えるはず、と思ってしまいがちです。それはいろいろなことを自分という物差しだけで計ってしまうのでしょうがないのかもしれませんが、自分とは違う相手のことをどれだけ受けとめられるか、ことばを変えれば、どれだか相手の立場に立って考える、相手にどれだけ寄り添う事ができるかということが大切になってくるのかと思います。
子どもたちの心に何か少しでも届いたでしょうか・・・