園長ブログ

試してみる 2

2014/01/03

私の何気ない一言から、出汁昆布の味比べが始まりました。同じ量の昆布と水からひいた出汁を比べてみると、今まで使っていた昆布(A)より、新しい昆布(B)の方が味がしっかりしているように感じました。味比べを実際に行ってくれた先生も同じ意見でした。ところが、これだけではどちらにするか決めかねます。

迷っていると、調理の先生が「少し手を加えてみます。」と言うので私は自分の仕事に戻りました。しばらくして「さっきの出汁にだしじゃこや削り節などを加えてみました。」といって持って来てくれた2種類の出汁の味を比べてみました。他の食材が加わって少し複雑な味わいになりましたが、ここでもやはり今まで使っていた昆布(A)の出汁より新しい昆布(B)の出汁の方が味がしっかりしているというのか、濃い感じがしました。

またまた調理の先生から、実際に食べる状態に味付けをして食べ比べてみようと提案して、すぐにシンプルなおすましの味付けをしてくれました。これを食べ比べてみると、今までと少し違います。

これまで同様、新しい昆布(B)でつくったおすましは、相変わらず味がしっかりしていますが、今まで使っていた昆布(A)で作ったおすましがおいしく感じるのです。(A)は昆布の味が主張しすぎない分、他の食材の様々な味が感じられます。いろいろな味がバランス良く味わえるというとわかりやすいでしょうか。それに対して、新しい昆布(B)のおすましは、しっかりした味ではあるものの、昆布の味が立ちすぎていて、バランスが悪い感じがするのです。

ここまで試してみて不思議だと思いました。最初、昆布だけの時は、新しい昆布(B)の方が味がしっかりしていて、味わいがあると感じ、だしじゃこや削り節などを加えてからも、新しい昆布(B)の方が味がしっかりしていると思っていたのに、おすましとして仕上げると、前から使っていた昆布(A)が主張しすぎない分、全体のバランスがとれた結果的に「おいしい」味になったのでした。

試してみる 1

2014/01/02

ある日、調理を担当している先生から相談を受けました。食品を納入してくださっている業者さんから「今まで使っていた出汁昆布の収穫量が減少し納品が難しくなるので、ちがう種類のだし昆布を納品しても良いか。」との提案があったが、どうすれば良いのかという相談です。2種類の出汁昆布のどちらを使うのか決めてほしいということです。

そう聞かれて思いついたのは単純に両方の出汁昆布を比べてみることでした。他の条件を可能な限り同じにして二種類の出汁昆布を比べてみたいけれどどうしたら良いか、逆に調理担当の先生たずねてみました。2〜3日後には何か考えてくれるのかなと思いながら仕事をしていると、厨房に来てほしいというので、いっても見ると、「これを味見してみてください」と2つの器を手渡されました。早速、二種類の昆布で出汁をひいてみたというので、行動の早さに驚きながらも試してみました。

最初に試した昆布(仮に昆布Aと呼びます)は、口に入れるとほのかに昆布の香りがするくらいで、ごく薄い味しか感じませんでした。次に試した方(仮に昆布Bと呼びます)は、味も香りもしっかりしています。味にこくがあるというとわかりやすいでしょうか。「どちらが新しい方かわかりますか?」と聞かれ、正直言ってどっちがどっちなのかわかりませんでした。最初の方(A)はあまり味がしないけれども、後の方(B)はしっかりと味が出ていたように感じたと、率直な感想を伝えました。正解はAが今まで使っていた昆布でひいた出汁で、Bが新しい昆布だそうです。昆布が違うだけでこれだけ味が違うというのは驚きです。

昆布による味の違いはわかりましたが、どちらを使うと良いのか、決めるというのは結構難しい問題です。

2014/01/01

新しい年が明けました。平成26年のはじまりです。日の出前でも気温は3度もあり、暖かな元旦になりました。朝のお天気は曇りがちで、初日の出を拝むのはちょっと難しかったのですが、昼前には晴れてきました。

元旦にお寺の床の間に掛かっていた掛け軸にあった一文字は「笑」でした。しかも、「笑」の漢字が笑っています。その「笑」を見て、「最近おなかを抱えて笑うようなことがあったかなぁ?」と考えてしまいました。

笑うことには、良いことがたくさんあります。笑うことで、血行が良くなりますし、ストレスも解消でき、笑った後は気持ちがスッキリします。病気の予防にも有効だとも言われています。

しかめっ面や暗い顔より、笑顔でいる方がまわりの人を楽しい気持ちにできますし、なにより自分自身が楽しく、穏やかな気持ちでいることができます。

昨年の自分をふり返って見ると、あまり笑っていなかったかもしれません。今年は少し意識して「笑う」ことをしてみようと思いました。声を出して笑わなくても笑顔を増やすだけでもよいと思います。

昨年は自分をふりかえることを意識してみようと、「今日はこれができたかな?」とふりかえりの基準となることばを考えてみました。①笑顔で明るくあいさつする ②すべてに感謝し「ありがとう」と言う ③相手の身になって考える ④悪口を言わない ⑤他人のせいにしない の5つです。ふりかえるたびに、「本当に自分はできていたのか?」がどんどんわからなくなってきました。例えば、「相手の身になって考える」でも、相手になることはできないので、相手の心にどれだけ寄り添うことができたのか?「悪口を言わない」というが、口に出して言わなくても心に思ってしまっていなかったか?と考えるとわからなくなってきます。

これらに「1日1度は笑う」なんていうのを加えてみようと思います。自分にとって良いことも悪いことも全て超えて「どんなときでも笑う」ことができると嬉しいだろうなと思います。そのためには、やってくるいろいろなことを「笑」にすると良いのでしょうが、難しいかもしれません。逆にとにかく笑っちゃえば、「笑」になってゆくかもしれません。

お正月からいろいろ考えていたら、ややこしくなってきました。あまりごちゃごちゃ考えない方が良いのかもしれません。難しく考え込んだ顔で笑う事なんてできませんものね。

冬休み 3

2013/12/31

冬休みに入った小学生達が毎日やってきて、楽しく活動しています。注連飾りづくりの他に迎春にちなんだ活動として、おもちつきに参加しました。お寺では毎年12月28日にお正月用のお餅をついてお供えします。その時に当園の園児達も参加して、おもちをついたり、まるめたり、味わったりさせていただいています。

餅米を蒸したものを臼に入れて杵でついてゆくうちにおもちになってゆくのを見るのもおもしろいですし、蒸し上がった餅米から立ち上る湯気と甘い香りを楽しむこともできます。子ども用の杵でお餅をつくと力加減やその感触も感じることもできます。つき上がったお餅を小さくちぎってまるめる時には、おもちのやわらかさやあたたかさ、香りも感じます。甘い香りに、思わず口に入れたらほんのり甘いお米の味が口いっぱいに広がります。五感をフルに使ってお餅を体験する機会です。20名近くの小学生もこのもちつきに参加しておもちつきを楽しんでいました。

小学生のためのお楽しみイベント、もう一つは、映画鑑賞会です。夏と同様、用意された3本の映画の中から自分の見たい1本を選び、みんなで話し合ってどれを見るのか決めます。鑑賞会の数日前からスタッフ手作りの3種類の映画のビラが貼り出されますが、このビラには映画のタイトルがありません。子どもたちは紹介文を読みながらどんな映画なのかを想像して、自分の見たいものを決めなくてはならないのです。難しそうですが、子どもたちは紹介文を読んで、「なんの映画かな」と話し合っていました。きっとこの映画だと想像をつけて、自分の見たい映画を選びますが、当然違う映画を選ぶ子もいます。そこで、同じ映画を見たい子どもたちがチームを作って、なぜその映画を見たいのか、どこがおもしろそうなのかをプレゼンテーションして、同じ映画をみたい仲間を増やします。しかし、プレゼンテーションの時に自分がこれだと思った映画のタイトルを言わないことになっているので、プレゼンもかなり難しいと思います。

夏は子どもも大人も慣れていなかったのですが、今回、子どもたちは2分という制限時間をうまく使って、とてもしっかりとプレゼンしていました。卒園児の女の子が1分足らずの短い時間ながら、とても理路整然と丁寧な口調で、はっきりとわかりやすく話していたのには驚きました。私のイメージの中では、園児だった頃の彼女は、内気であまり人前で話をする子ではなかったからです。その子がとても堂々と話している姿に心を動かされました。結局その子がプレゼンした映画は選ばれませんでしたが、プレゼンはとてもステキでした。別の映画をプレゼンをした男の子も、緊張しながらもとても詳しく、わかりやすく伝えてくれました。しかも、タイトルはもちろん、登場人物の名前やその作品と特定できることばを使わずにです。

コミュニケーション能力というと、プレゼンのように伝えること、話す事が重要視されがちです。しかし、もっと大切なのは聞く能力だと言われています。人の話を耳を傾け心を傾けて聞く力が必要なのです。子どもたちは、みんなプレゼンしている子の話をしっかりと聞いている様子でした。

学童保育に来ている子どもたちの冬休みの活動は、興味深いことばかりでした。

     プレゼン中です

冬休み 2

2013/12/30

強い寒気がやってきて、27日、28日は雪になりました。積雪量はそれほど多くはありませんが、気温が低い状態が続いているので、なかなか雪がとけません。日が落ちると気温はすぐに氷点下になります。今までが少し暖かかっただけに、余計に寒く感じます。お正月は少し暖かくなると良いのですが。

   注連飾りを作る子どもたち

冬休みに学童保育に来ている子どもたちの様子をお伝えしています。クリスマスケーキ作りの次は、お正月に向けての注連飾りづくりです。毎日同じメンバーが集まるわけではないので、余裕を持って3日間の日程で行いました。子どもたちも楽しみにしていましたし、保護者にも子どもたちが作る注連飾りを楽しみにしていらっしゃいます。地域のボランティアの方にお願いして、作り方を教えていただきました。最初は、わらの不要な部分を取り除いて、わらをうつことから始めるので時間がかかります。そして、数種類の注連飾りのなかから自分の作りたい形を選んで、教えてもらいながら作ってゆきます。太い縄状につくる種類などはかなり難しいと思いますが、みんな一所懸命に取り組んでいました。子どもたちは、今日はどんな活動なのか、予定表で見て参加しているので、基本的には自分のやりたいと思うことがある日に来ている子が多いので、みんな意欲を持って向き合っているのだと思います。

注連縄は、神聖な場所を表す結界で、家は年神様を迎える神聖な場所であることを示すために年の初めに玄関に飾ります。秋に収穫した新しいわらで作り、縁起物の紙垂、裏白、橙、ゆずり葉などを飾ります。紙垂は稲妻の形をしていて邪悪なものを払うとか、稲穂が垂れた姿をあらわすといわれ、裏白は白髪になるまで長生きするとか裏が白いので裏表のない清らかな心をあらわすといわれます。また、橙は、果実が熟しても木から落ちないことから家が代々繁栄するようにという意味があり、ゆずりはも新芽が出てから古い葉が落ちるので、親が子を育てて家が代々続いてゆくようにという意味があるようです。

私が様子を見に行くと、それぞれにできあがった注連飾りを見せてくれました。家族にも見せて、家族の会話の話題になれば嬉しいですし、子どもたちの手作りの注連飾りを飾って年神様を迎え、すばらしいお正月にしていただければと願います。

冬休み 1

2013/12/29

小学校が冬休みになって、学童保育にたくさんの小学生たちがやってきました。普段の土曜日は10人くらいですが、冬休み中は多いときで20名近くの子どもたちがやってきて楽しい時を過ごしました。子どもたちが自由にのんびりと過ごすのが基本ですが、今年の冬休みは、昨年の経験から様々な企画が盛りだくさんでした。先ずはクリスマス会、「みんなでクリスマスケーキをつくろう!」という企画でした。冬至も近いので、カボチャケーキにしようというアイデアをスタッフが出し、試作をしてくれました。

オーブンがないので、あまり本格的なことはできないのですが、ホットケーキミックスを使って、炊飯器で焼くという方法があるようで、それに挑戦していました。私は詳しいレシピは知らないのですが、カボチャとタマゴをたっぷりと使うことで、とてもリッチな味に仕上がっていました。子どもたちが作っているところには参加できませんでしたが、炊飯器に入れて焼き始めるところと、焼き上がって食べるところには居合わせたので、「園長先生は食べるときになるとやってくる。」と子どもたちにひやかされました。
食べるときには、切り分けたケーキにフルーツ、ホイップクリーム、チョコレートなどをトッピングして、思い思いの飾り付けをしてから食べていました。ホイップクリームがリッチなケーキの味をまろやかにしてくれて、とてもおいしくできていました。

後でスタッフから聞いたのですが、カボチャが嫌いだった子が、とてもおいしく食べられたようで、家でも作りたいのでレシピを教えてほしいと言っていたそうです。これをきっかけにカボチャが食べられるようになると良いなと思いましたし、家で作って家族と一緒に食べようと思ってくれていることが嬉しいと思います。他にレシピがほしい子はいないかと尋ねてみたら、参加者全員がほしいと言ったので、配布したそうです。

冬至にカボチャを食べると、風邪をひかないなどと言われますが、野菜の少ない冬にカロチンやビタミンの多く含まれるかぼちゃを食べ、風邪などへの抵抗力をつけるという意味があるようです。なぜ、冬至にカボチャを食べるのかという、子どもの疑問から、子どもたちとそれを調べてゆくうちに、どうやらクリスマスも元々は冬至と関係があるらしいことがわかったそうです。

いろいろな意味で美味しいクリスマスケーキ作りになりました。スタッフの企画力と子どもの疑問をうまく拾って形にしてくれたおかげです。

とても美味しくできたカボチャのケーキ

クリスマスプレゼント

2013/12/28

子どもたちが家にサンタクロースが来た話をたくさん聞かせてくれましたが、当園にもサンタクロースがやってきます。当園に来るサンタクロースは少々あわてんぼうで、クリスマスの少し前にやってきて、子どもたちとクリスマスソングを歌う、子どもの質問に答えるなど楽しい時間をプレゼントしてくれます。そして、お菓子の入った小さなブーツも忘れてはいません。子どもたちは1人ずつサンタクロースの前に進み「メーリークリスマス」「ありがとう」などといって嬉しそうにプレゼントを受け取っています。今年は0歳児や1歳児の子どもたちも少々緊張していたものの、泣いてしまうことなくプレゼントをもらっていました。

幼児クラスに歩くことが苦手な子がいます。最近ではもう少しで介助なしで歩くことが出来そうだったのですが、自ら一歩を踏み出すことができずにいる様子でした。ところがサンタクロースが来た日、サンタからプレゼントをもらう順番が回ってきたら、自分でスッと立ち上がってスタスタとサンタの前に歩いて行ったのです。あまりにも自然だったので最初は気づかないくらいでしたが、すぐに驚きから大きな喜びへと私の心は動きました。その場に居合わせた職員ひとり1人のうれしさはことばでは表せないものだっただろうと思います。何よりも本人が一番嬉しく、心の中に自信が生まれたのではないかと思います。その子は今では走るのも速くなりましたし、笑顔も増えていろいろなことに意欲的に取り組むようになったと感じています。

この大きな喜びを通して、やはり子どもの心の中に生まれる「やりたい!」という意欲がとっても大切だということを思い直しました。いくら、ああでもないこうでもないと言い聞かせたり、叱ったりしてやらせても本当にその子が「やろう!」「やりたい!」という意識、意欲を持たないことには、本当の意味でいろいろなことができるわけではないと思います。大人に動かされてやっても、やらされても、それはその子のものにはならないのです。ですから、保育って子どもを操ることではないのです。おとなの言うとおりに動く「よい子」を育てることが目的ではないからです。子どもが自らの人生を積極的に幸せに生き、より良い社会の実現に貢献する。そのことが本人の幸せである。そういう人に育ってもらうことが目的だからです。子どもの意欲を高めるためにも、子ども主体の保育を進める必要があることを感じました。

サンタクロースのくれた大きな大きなクリスマスプレゼントでした。

楽しみ力

2013/12/27

今年のクリスマスは終わってしまいましたが、子どもたちにクリスマスってなんの日?と聞くと「サンタさんからプレゼントをもらう日!」ほとんどの子がそう答えます。その中で、年長の女の子に、「誰かの誕生日なんやけど、誰やったかなー?」「あっ!キリスト様やったわ!」と言っている子がいました。前に話したことを覚えていてくれたのかもしれません。

クリスマスの日、子どもたちはサンタクロースからもらったプレゼントの話で持ちきりでした。やっぱり子どもたちには、クリスマスと言えばサンタクロースなんですね。子どもたちの家ではサンタがいろいろな登場の仕方をしたそうです。窓を開けてプレゼントを投げ込んでいったサンタクロース、よほど慌てていたようで赤い帽子が少し見えただけで、行ってしまったそうです。ママがサンタクロースを見たといっている子もいました。♪ I sow my mammy kissing Santa Claus ♪といった感じでしょうか。子どもだけではなく、お父さんにもお母さんにもプレゼントがあったご家庭もありました。サンタクロースも家によって訪れ方をいろいろと変えているようですね。子どもも大人もとっても楽しんでいらっしゃるご家庭の様子が感じられて嬉しくなりました。

いろいろなことをするときに「遊び心」ってとても大切だと思います。ことばを変えれば、楽しむということです。一つのことをやるにしても、「どうすれば楽しめるかな?」「こんなことしたら、子どもたちが興味を持つかな。」「きっと、子どもたちが驚くだろうなー!」なんて考えながらやれば、わくわくしてきます。少しくらい手間のかかることでもその手間が苦にならず楽しみになります。そして楽しく取り組むことができれば、良いことがたくさん生まれてきます。嫌々取り組んでもできることはできますが、あまり良いことになるようには思えません。いろいろなことを楽しむ力、楽しみに変える心の力、「楽しみ力」といってもいいかもしれません。これがあるとないとでは、その人の幸せ度も違ってきます。私たちは感情をもっていて、この感情というフィルターを通してものごとをとらえていますし、感情と共にいろいろなことを行っています。ものごとをとらえるときでも行うときでも、うれしさや楽しさ、ありがたさといった感情とともに行った方が、怒りや憎しみ悲しみ不平不満といった感情とともに行うよりずっと良いと思います。そういった感情がその場を雰囲気を作るからです。一人の懐く感情が波のように広がってゆくのかもしれません。ですから、いつもうれしさや楽しさ、ありがたさという波を出していたいと思います。

しかし、うれしさ楽しさとはいっても、あまりそればかりにとらわれるのも良くないかもしれません。できれば淡々と自分の感情が今どうなっているのか、しっかりと向き合って、うれしさや楽しさにも怒りや悲しみにも大きく振れすぎないように、感情にとらわれて流されてしまわないようにするのが良いのかもしれません。

ステンドグラス 7

2013/12/26

子どもたちが楽しんで作ったステンドグラスが鞍馬駅に飾られました。飾り付けは叡山電鉄の方が担当してくださいましたが、5歳児たちは飾り付けの様子を駅に見学に行ったようです。自分たちの作品が駅の天井からつり下げられるのを見て、嬉しかったことでしょう。45個近い作品を作りましたが、天井からつり下げると、それほどボリュームはありません。ひとり2つずつ作るか、作りたいという子どもは2つでも3つでも作ってもらえば良かったと思いました。

子どもたちはどう考えるのかわかりませんが、いつも乗り降りする駅だから、きれいにいしたいな!飾ってみたいな!という気持ちになってくれるといいのですが・・・そんなところから、こうやって飾るとおもしろい。こんな駅になるといいのにな。なんて思って、形に出来ると楽しそうです。

そうなるかならないかは、私(保育者)が子どもたちにどうやって提示するかにもよると思います。どうすれば子どもたちが自ら興味を持って、主体的に取り組みたくなるなるのかを考え、どんな環境を用意できるのかが大きな要素になって来ます。もちろんよく考えて、充分に環境を用意したとしても、子どもの興味が、保育者が思うように広がるとは限りません。そんなときには子どもの興味関心を優先し、それに沿った活動が展開できるように援助する必要があります。指導計画を立てて、計画通りに進めないといけないと思いがちですが、子どもの姿から始めて、それがどう展開するかを予測したり、子どもの心の声を聴きながら、臨機応変に対応してゆくことが大切になってくるのです。

今回は発表会の直前に取り組んだということもあり、充分に展開するには至っていませんが、少なくとも子どもたちはステンドグラス作りを楽しんでくれたと思います。まだまだできる事はありそうなので、取り組んでゆけると良いと思います。

ステンドグラス 6

2013/12/25

その子の興味と関心にぴったり合えば、逆に言うとその子の興味と関心、意欲を引き出す環境を用意すれば、その子は今持てる力を最大限に発揮するのだと思います。ステンドグラスの製作を通じて、特にそのことを感じました。ですから、3歳児だからこれ、4歳児だからといったいわゆるクラスだけで分けるのは適当ではないように思います。

保育所保育指針、第2章子どもの発達の2. 発達過程には、「子どもの発達過程は、おおむね次に示す8つの区分としてとらえられる。ただし、この区分は、同年齢の子どもの均一的な発達の基準ではなく、一人一人の子どもの発達過程としてとらえるべきものである。また、様々な条件により、子どもに発達上の課題や保育所の生活になじみにくいなどの状態が見られても、保育士等は、子ども自身の力を十分に認め、一人一人の発達過程や心身の状態に応じた適切な援助及び環境構成を行うことが重要である。」とあり、(1)おおむね6か月未満 (2)おおむね6か月から1歳3か月未満 (3)おおむね1歳3か月から2歳未満 (4)おおむね2歳 (5)おおむね3歳 (6)おおむね4歳 (7)おおむね5歳 (8)おおむね6歳という発達過程が示されています。発達段階ではなく発達過程です。発達は連続しているので段階ではないのです。

指針の解説には「ただし、この区分は、同年齢の子どもの均一的な発達の基準ではありません。」とあります。おおむね3歳の項に書かれている発達が3歳になってできないから遅れているという基準として考えるのではないということが、書かれているのです。にもかかわらず、基準だと勘違いしてしまう人がいるそうです。4歳になってこんな事もできないと評価するものではないのです。「特に保育士は、子どもの発達の順序性や連続性を踏まえ、長期的な視野を持って見通し、子どもが、今、楽しんでしていることを共に喜び、それを繰り返しながら子どもの発達を援助することが大切です。 」ともあります。 思い込みにとらわれていないか、もう一度基本を踏まえた上で、自分自身をふりかえる必要がありそうです。

スクロール