園長ブログ

PISA 4

2014/05/03

PISA2012年調査、習熟度レベル別国際比較の数学的リテラシーについての結果を見てきましたが(OECD 生徒の学習到達度調査 〜2012 年調査国際結果の要約〜文部科学省 国立教育政策研究所)読解力と科学的リテラシーはどうでしょうか、簡単に見てみます。

読解力では、習熟度レベル別(レベル 1a 以下・レベル 5 以上)の生徒の割合が、上海(570)、シンガポール(542)、日本(538)(()内は平均得点)と3位、男女別は、「日本は女子の方が上位の習熟度レベルの割合が多く、男子の方が 下位の習熟度レベルの割合が多い。この傾向は、参加 65 か国すべてにおいて同様である。」経年変化はレベル3以下の割合が減少傾向にあるのに対して、レベル4、レベル5の割合が増加しています。

科学的リテラシーでは、習熟度レベル別(レベル 1 以下・レベル 5 以上)の生徒の割合が、上海(580)、シンガポール(551)、日本(547)(()内は平均得点)と言う結果で、男女別は「男子の方が習熟度レベルの上位と下位における割合が多 い。この傾向は、OECD 平均と同様である。」経年変化はレベル1以下の割合が減り、レベル5以上が増加しています。

平均得点の国際比較はどうでしょうか。
日本は数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーのどれにおいても、高成績を示しています。平均得点の経年変化でも上昇しています。数学的リテラシー分野では2003年に比べて2006年の調査では平均得点が下がり、2009年、2012年と6年かけてほぼ2003年レベルを回復しています。
読解力は、2000年に比べ2003年は急激に低下し、2006年ではほぼ横ばい、2009年、2012年と急上昇して、2012年は200年を上回るレベルになっています。
科学的リテラシーも2006年以降平均得点が上昇しています。

このように、日本のPISAの成績が上昇したのは、ゆとり教育からの脱却があると一般的にはいわれていますが、様々な議論もあるようです。

平均得点のグラフを見ていて気になったのが、以前はどの分野でも高得点をマークして話題になっていたフィンランドが、数学的リテラシー、読解力、科学亭リテラシーのどの分野においても平均得点が低下していることです。何か理由があるのでしょうか。

PISA 3

2014/05/02

2012年に行われたPISA調査、日本の成績はどうだったのでしょうか。その前に「結果の分析尺度」を見ておきましょう。

PISA 調査では、調査分野ごとに、調査問題の難易度を基に個々の生徒の習熟度 (proficiency)を得点化し、それを一定の範囲で区切ったものを習熟度レベル (proficiency level)と呼ぶ。習熟度レベルは、数学的リテラシー及び科学的リテ ラシーでは 7 段階(レベル 6 以上、レベル 5、レベル 4、レベル 3、レベル 2、レベル 1、レベル 1 未満)、読解力では、2009 年調査より 8 段階(レベル 6 以上、レベル 5、レベル 4、レベル 3、レベル 2、レベル 1a、レベル 1b、レベル 1b 未満)となっている。

数学的リテラシーにおいて、習熟度レベル 5 以上の生徒の割合が 多く、レベル 1 以下の生徒の割合が少ないのは上海、シンガポール、台湾、香港、韓国、 マカオ、日本などである。

という具合に、習熟度レベル別の生徒の割合で比較しています。日本はマカオに次いで8位になっています。

それにしても、第1位の上海の成績は飛び抜けています。平均得点にしても、2位以下のシンガポール(573)、台湾(560)、香港(561)、韓国(554)、リヒテンシュタイン(535)と続くのに、上海は(613)ですし、レベル6以上の割合が約30%、レベル5の割合が約25%なのに対してレベル1以下は5%にも満たないのです。日本は、レベル6以上の割合が約10%、レベル5の割合が約17%、レベル1の割合が約11%です。

男女別では、
男子の方が上位の習熟度レベルの割合が多く、女子の方が下 位の習熟度レベルの割合が多い。この傾向は、OECD 平均と同様である。
経年変化では、
日本は、レベル1以下の生徒の割合が2003年調査以降で最も少な く、レベル5以上の生徒の割合は2003年調査よりも少ないが、2006年調査以降では最も多い。2006年調査との比較におけるレベル5以上の生徒の割合は、統計的な有意差がある。

*太字部分は 『OECD 生徒の学習到達度調査 〜2012 年調査国際結果の要約〜』文部科学省 国立教育政策研究所 からの引用です

PISA 2

2014/05/01

文部科学省 国立教育政策研究所の『OECD生徒の学習到達度調査 2012 年調査国際結果の要約』には「各分野の定義」が示されています。

数学的リテラシー
数学的リテラシーとは、様々な文脈の中で定式化し、数学を適用し、解釈する個人の能力であり、数学的に推論し、数学的な概念・手順・事実・ツールを使って事象を記述し、説明し、予測する力を含む。これは、個人が世界において数学が果たす役割を認識し、建設的で積極的、思慮深い市民に必要な確固たる基礎に基づく判断と決定を下す助けとなるものである。

読解力
読解力とは、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会 に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考し、これに取り組む能力である。

科学的リテラシー
科学的リテラシーは、個々人の次の能力に注目する。
・疑問を認識し、新しい知識を獲得し、科学的な事象を説明し、科学が関連する諸問題について証拠に基づいた結論を導き出すための科学的知識とその活用。
・科学の特徴的な諸側面を人間の知識と探究の一形態として理解すること。
・科学とテクノロジーが我々の物質的、知的、文化的環境をいかに形作っているかを認識すること。
・思慮深い一市民として、科学的な考えを持ち、科学が関連する諸問題に、自ら進んで関わること。

「個人が世界において数学が果たす役割を認識し」とありますが、数学というと、どうも公式を覚える。計算問題を解くというイメージが先行してしまいます。自分の学生時代の経験がそうさせるのでしょうか。数学は論理的思考力や抽象的な思考力などを使って世界を理解することと考えるとよいのでしょう。

数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシー、どれにも共通しているのが、市民や社会ということです。数学的リテラシーでは「建設的で積極的、思慮深い市民に必要な確固たる基礎に基づく判断と決定を下す助けとなるものである。」としており、数学的リテラシーは思慮深い市民に必要な能力なのです。読解力では「効果的に社会に参加するために」とあります。社会に参加するための読解力なのです。「思慮深い一市民」であるために、科学的な考えを持ち、科学が関連する諸問題に、自ら進んで関わること。なのです。

*太字部分は 『OECD 生徒の学習到達度調査 〜2012 年調査国際結果の要約〜』文部科学省 国立教育政策研究所 からの引用です

PISA 1

2014/04/30

OECD(経済協力開発機構)が実施しているPISA(Programme for International Student Assessment)は、日本では「生徒の学習到達度調査」と訳され、15歳の子どもたちを対象に読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について、3年ごとに調査が実施されています。2000年から調査が始まり、2012年に5回目の調査が行われました。この調査は、 65か国・地域(OECD 加盟 34 か国、非加盟 31 か国・地域)、約 51 万人の生徒を対象に調査を実施、日本では無作為に選出された全国の191の学校から、約6,400人の生徒が参加しています。2012年調査方法は2時間の筆記型調査と約30分間の生徒質問紙を実施した後、国際オプションである40分間のコンピュータ使用型調査も実施されたそうです。

2012 年調査の内容は、「数学的リテラシーを中心分野として、読解力、科学的リテラシーの3分野を調査。また、国際オプションとして、コンピュータ使用型調査(デジタル数学的リテラシー、デジタル読解力、問題解決能力)も実施。」
「PISA調査は、義務教育修了段階の15歳児が持っている知識や技能を、実生活様々 な場面でどれだけ活用できるかをみるものであり、特定の学校カリキュラムをどれだ け習得しているかをみるものではない。」
「思考プロセスの習得、概念の理解、及び各分野の様々な状況の中でそれらを生かす力を重視。」とあります。(OECD 生徒の学習到達度調査〜2012年調査国際結果の要約〜 文部科学省 国立教育政策研究所 より)

つまり、「知識や経験をもとに、自らの将来の生活に関する課題を積極的に考え、知識や技能を活用する能力があるか」をみるもので、「学校の教科で扱われる知識の習得を超えた部分まで評価しようとする」ものです。

学習到達度

2014/04/29

ユニセフの「先進国における子どもの幸福度」調査の教育分野の構成要素「就学」の3つの指標「就学前教育就学率」「高等教育就学率」「ニート率」を見ながら、思い浮かんだことを書いてきました。教育分野のもう一つの構成要素は「学習到達度」です。
レポートにはこんな説明がされています。

学習到達度
教育面の豊かさの第2の構成要素は受ける教育の質である。
しかし、子どもの幸福度にかかわるこの重要な要素は、国際比較に基づいて定義および評価を行うことが非常に難しい分野である。理論上、教育の「質」という概念は、社会的理解の促進と価値形成(市民権教育を含む)や、若者の多様な能力と可能性を育成する機会など様々な要素を包含する。しかし、これをすべて 評価できるような指標が開発されるにはまだ時間を要する。現在のところ、教育の質に関する唯一の実用的な評価基準はOECDの『生徒の学習到達度調査(PISA)』によって提供されている。PISAでは読解、数学、科学という3つの基本的な能力を各国共通の枠組みで測定することを可能としている。

ここで「教育の「質」という概念は、社会的理解の促進と価値形成(市民権教育を含む)や、若者の多様な能力と可能性を育成する機会など様々な要素を包含する。」と言われるように、様々なことがらの理解が進めば世界をとらえやすくなります。同時にどんな価値観を形成すると良いのでしょうか、市民権教育を含むとありますから、市民、社会を構成する人としての価値観の形成ということでしょうか。そして、若者の多様な能力と可能性を育成する機会が保証されていることが、教育の「質」なのだとしたら、いろいろな人と互いに認め合いながら、社会をより良く変革してゆく力を持つ人を育てる教育が質の高い教育だと理解して良いのでしょうか。

社会的理解の促進と価値形成(市民権教育を含む)や若者の多様な能力と可能性を育成する機会など様々な要素を国際的に比較する指標がないので、OECDの『生徒の学習到達度調査(PISA)』の成績を指標とするとあります。

いろいろな人と

2014/04/28

先日、少し驚いたことがありました。この4月に町中の大きな学校から鞍馬小学校に転任してこられた先生と話す機会がありました。その先生がおっしゃったのは「鞍馬小学校は、1年生から6年生までが一緒になって遊んでいていいですね。町中の大きな学校では他の学年と遊ぶこと、関わることはほとんどないですよ。」ということでした。

確かに、小規模校では学年を超えることなくしては集団の形成は難しいですし、子どもがある程度の人数で遊ぼうと思ったら、違う学年の子と遊ぶしかないのです。そうして、小学校といえども異年齢で関わる事があたりまえのように思っていた私にとって、その先生のことばは、軽いショックでした。きっと鞍馬がとても特殊で、大多数の学校では、学年を超えて関わることは、行事以外では少ないのかもしれません。

子どもの人数が多いと、年齢を超えて関わる活動は難しかったり、怪我のリスクも高くなるのかもしれません。1年生と6年生では、身体の大きさも、力も、動き方も全くちがうので、危険と言えば危険です。もちろん適当な広さや、広さに応じた子どもの数、活動の内容など、考慮すべきことはたくさんあるとは思います。それは小学生だけではなく、幼児だって同じです。しかし、子どもたちは大人が思う以上にいろいろと配慮をしながら活動していたりするものです。園では、0歳児から5歳児までが一緒に遊ぶことは毎日ありますが、年上の子は、年下の子をよく見ていて、怪我をしないように気をつけてあげていたり、赤ちゃんが、お兄ちゃんお姉ちゃんに「遊んでよ」と訴えかけていたり、お互いに関わろうとする姿がよく見られます。見ていてヒヤヒヤすることもありますが、よほど危ないことについては、大人が介入することもありますが、子どもを信じてじっと見ていると、子どもがいろいろなことを考え、配慮しながら活動していることがよくわかります。幼児期からいろいろな人と関わる中で、相手の立場に立って考える事を自然に実践してくれているのかもしれません。

異年齢の関わり

2014/04/27

今の若い人は、同じ年齢やごく近い年齢の人とはうまくやってゆく事ができるけれども、年齢の離れた人とはコミュニケーションがとりにくい人が多いという話をきいたことがあります。会社などで世代間のコミュニケーションがうまくゆかないといったことも様々なところで話題に上りますし、どうすれば、コミュニケーションが円滑になるのかといった how to のような話もたくさんあります。多くの人が困っているところなのかもしれません。その原因は、価値観の違いとかコミュニケーション方法の違いだとか、いろいろなことが言われます。そんな中で、子どもの頃から同じ年の人とばかり過ごしてきたから、価値観やコミュニケーション方法が違う人と接する機会が少なかった。だから、そういう人と出会うと、どうもなじめなくなってしまうのではないかという説もあります。学生時代はほとんどが、同学年と言われる4月2日から翌年の4月1日に生まれた人たちと接することの方が圧倒的に多く、年の離れた人と一緒になりかやる人とようです。

昔は、年齢の離れた子どもたちが、群れて遊んでいました。そうやって異年齢で遊んでいて、ついつい羽目を外したり、やり過ぎたりすると、怒鳴られるこわいおじさんや、おやつをくれる優しいおばさんなど、いろいろな人と関わる機会がありました。ところが、今はほとんどが、同年齢の関わりなのです。長い人生の中で、同じ年齢だけの集団で過ごす期間というのは長くて20年80歳まで生きるとして、四分の一です。結構長いですが、残りの4分の3は様々な人との関わりの中で生きてゆくのです。だからこそ、子どものころから、年齢の違い、しょうがいのの有無、民族や人種、国籍、男女、いろいろな違いを経験している方が良いと思うのです。

ひきこもるきっかけ

2014/04/26

データは少し古いのですが、内閣府の(2010)「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」では、ひきこもりになったきっかけで、一番多かったのは「その他」(25.4%)次いで多いのは「病気」(23.7%)と「職場になじめなかった」(23.7%)そして、次に続くのが「就職活動がうまくいかなかった」(20.3%)、「不登校」(小学校・中学校・高校)(11.9%)、「人間関係がうまくいかなかった」(11.9%)、「大学になじめなかった」(6.8%)「受験に失敗した」(高校・大学)(1.7%)となっています。

「職場になじめなかった」が23.7%、「就職活動がうまくいかなかった」が20.3%とこの2項目を合わせると、ひきこもりになったきっかけの44%にも達します。仕事に関係することがきっかけになっていることが多いようです。ひきこもってしまうきっかけが就職や、求職に関わる事が多いのなら、何がストレスの原因となっているのでしょうか。もちろんいろいろなことがあると思います。
就職してみたが、人とうまく関われない、そこで非常にストレスを抱えてしまうことが、ひきこもる原因になっているのです。就職を通して社会を経験することが、負担なのでしょうか。学校と職場、何が違うのでしょうか。一つ考えられるのが、学校では同年齢の友だちと過ごす時間が圧倒的に多いですが、社会に出ると、同年齢ばかりの集団はめずらしくて、年齢の異なる人が周りにたくさんいるのが普通です。そんなところが、ストレスになったりするのでしょうか。もちろん原因は複雑なのだと思いますが、「職場になじめなかった」23.7%という数字を見ると、職場での人間関係が大きなウエイトを占めているのでしょう。

ニートとひきこもり

2014/04/25

各国のニート率が、子どもの幸福度の教育分野の指標として取り上げられていたユニセフのレポート。「就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない15〜19歳の若者の割合」を各国で比べていますが、就労については、「景気低迷が若者の失業率にも大きく影響を及ぼしており、OECD 加盟国では今や合計 2,300 万人以上の若者がニートのカテゴ リーに該当し、その半数以上が働く ことをあきらめている。」という報告を紹介しています。働きたくても就職先が見つからず働けない若者がたくさんいるとも考えられます。働く意志があるけれども、就職先がなくて働けないのと、就職先はあるのに働こうとしない、働く意欲に欠けるでは、事情が異なるのではないかと思います。日本に特徴的なのかもしれませんが、働くことを望まなかったり、人と関わることに積極的ではないひきこもりといわれる人のような人もいます。『平成25年版 子ども・若者白書』第2節には、「若年無業者,フリーター,ひきこもり」の項目があります。少し見てみます。

若年無業者
15~34歳の若年無業者は63万人,15~34歳人口に占める割合は2.3%。というデータがあります。そのうち15~19歳が9万人だそうです。
その理由は、
就業を希望しているが若年無業者が求職活動をしていない理由は,「その他」を除くと,15~19歳では「学校以外で進学や資格取得などの勉強をしている」と「病気・けがのため」が,20~24歳と25~29歳ではそれらに加え「知識・能力に自信がない」が多い。就業を希望していない若年無業者が就業を希望しない理由は,「その他」を除くと,15~19歳では「学校以外で進学や資格取得などの勉強をしている」が,20~24歳と25~29歳では「病気・けがのため」に次いで「特に理由はない」が多い。
と説明されていました。

ひきこもり
内閣府が平成22(2010)年2月に実施した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」22によると,「ふだんは家にいるが,近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが,家からは出ない」「自室からほとんど出ない」に該当した者(「狭義のひきこもり」)が23.6万人,「ふだんは家にいるが,自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」(「準ひきこもり」)が46.0万人,「狭義のひきこもり」と「準ひきこもり」を合わせた広義のひきこもりは69.6万人と推計される。
とあります。
ひきこもりになったきっかけは,「その他」以外では「職場になじめなかった」「就職活動がうまくかなかった」など仕事や就職に関するものが多いようです。

ニート率

2014/04/24

就学前就学率、高等教育就学率に次いで指標となっているのが、ニート率です。
ユニセフの子どもの幸福度調査のレポートでは、「就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない15〜19歳の若者の割合」と定義されています。

レポートには
どの国でもニート率は、経済状況と雇用機会、若者を就労に備えさせる教育制度の実効性に左右される。 高いニート率は、若年成人の現在および将来の幸福度を脅かすものであり、まだ教育を受けている若者の意欲を妨げ、教育への投資と人的資源 の浪費を意味することは明らかである。各国の調査においては、ニートの状態と、精神衛生上の問題、薬物乱用、犯罪への関与、長期失業、生活保護への依存との関係も示されている。
とあります。

ニート率の低い方から、ノルウェー1位(2.3%)、スロベニア2位(2.5%)、デンマーク3位(2.9%)、日本は10位(4.1%)です。また、10パーセントを超えている国々は、アイルランド27位(11.0%)、イタリア28位(11.2%)、スペイン29位(13.4%)、ブルガリア30位(15.6%)と並んでいますが、1割を超えるというのは、驚きです。
「残念なことに、共通 して入手できる直近のニート率のデータは2009〜2010年のもの」とレポートにあるように少し古いデータです。しかし「日本のデータは厚生労働省の『平成24年国民生活基礎調査』をもとに算出した。」とあります。

「現在も続いている景気低迷は、OECD加盟国の若者の失業率にも大きく影響を及ぼしている(若者の失業率は2009年11月に18.3%のピークに達し、2012年にはその水準から若干低下)OECD 加盟国では今や合計 2,300 万人以上の若者がニートのカテゴ リーに該当し、その半数以上が働く ことをあきらめていると報告されている。」ともあります。

ニート(NEET)は、Not in Education,Employment or Training, ですから、まさに「就学・就労・職業訓練のいずれも行っていない」です。15歳から19歳というとても多感な時期、いろいろなことをたくさん経験して、見聞を広め、思考を深めてゆくのに最適な時期に自分を発揮する場やチャンスがない若者がたくさんいるというのは、若者達にとっても、社会全体にとっても大変残念なことです。

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