PISA2012年調査、習熟度レベル別国際比較の数学的リテラシーについての結果を見てきましたが(OECD 生徒の学習到達度調査 〜2012 年調査国際結果の要約〜文部科学省 国立教育政策研究所)読解力と科学的リテラシーはどうでしょうか、簡単に見てみます。
読解力では、習熟度レベル別(レベル 1a 以下・レベル 5 以上)の生徒の割合が、上海(570)、シンガポール(542)、日本(538)(()内は平均得点)と3位、男女別は、「日本は女子の方が上位の習熟度レベルの割合が多く、男子の方が 下位の習熟度レベルの割合が多い。この傾向は、参加 65 か国すべてにおいて同様である。」経年変化はレベル3以下の割合が減少傾向にあるのに対して、レベル4、レベル5の割合が増加しています。
科学的リテラシーでは、習熟度レベル別(レベル 1 以下・レベル 5 以上)の生徒の割合が、上海(580)、シンガポール(551)、日本(547)(()内は平均得点)と言う結果で、男女別は「男子の方が習熟度レベルの上位と下位における割合が多 い。この傾向は、OECD 平均と同様である。」経年変化はレベル1以下の割合が減り、レベル5以上が増加しています。
平均得点の国際比較はどうでしょうか。
日本は数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーのどれにおいても、高成績を示しています。平均得点の経年変化でも上昇しています。数学的リテラシー分野では2003年に比べて2006年の調査では平均得点が下がり、2009年、2012年と6年かけてほぼ2003年レベルを回復しています。
読解力は、2000年に比べ2003年は急激に低下し、2006年ではほぼ横ばい、2009年、2012年と急上昇して、2012年は200年を上回るレベルになっています。
科学的リテラシーも2006年以降平均得点が上昇しています。
このように、日本のPISAの成績が上昇したのは、ゆとり教育からの脱却があると一般的にはいわれていますが、様々な議論もあるようです。
平均得点のグラフを見ていて気になったのが、以前はどの分野でも高得点をマークして話題になっていたフィンランドが、数学的リテラシー、読解力、科学亭リテラシーのどの分野においても平均得点が低下していることです。何か理由があるのでしょうか。