いつも、お弁当を食べる公園にお目見えした新しい遊具。子どもたちは大喜びでしたが、実は私はちょっと複雑な気持ちでした。
せっかく、園にはない広々とした草っぱらや、様々な草花、自然の素材がたくさんあるので、そういった物を使って、工夫して遊んで欲しい。そういう思いを持っていたので、遊具が新設されているのを見たときには、「園とは違った自然環境のなかで、思いっきり遊んで欲しいな。」という思いを持っていた私には、子どもの興味を全て集めてしまうような遊具がある方が良いのか、どうなのか、微妙なところでした。
とっても楽しそうな遊具があれば、子どもたちが遊んでみたくなるのは、当然のことで、逆に全く遊んでみたくならない子がいればちょっと困ったことです。
ですから、最初子どもたちは、おもしろそうなローラー滑り台付きの総合遊具に集まりました。そして、一通り遊ぶと子どもたちの中から、他の遊具や遊びの方がおもしろそうに思える子どもたちが現れるのです。もちろん、最初に遊んだ遊具が気に入ってそこで遊び込む子もいます。
私が、ロープスライダーのスタート係になったことで、ここでも遊ぶことができるのだとわかったのでしょう、ロープスライダーを体験してみたいという子の長い列ができました。
「遊具だけではなく、自然がたくさんあるよ」と心の中で言っている私もいましたが、実際にローラースライダーで遊ぶ子どもたちの楽しそうな顔を見ていたら、これだけ楽しく遊んでいるんだったら、この遊びがこの子達が今、楽しみたいことなんだろう。と感じました。
「こうした方が良いのになー」という思いは持っていて良いでしょうし、そういう思いを持って環境を構成することは大切ですが、遊ぶかどうかは、その子の自発性に任せ、子どもが、自分の発達に必要な環境のなかで、最大限の発達を遂げているんだと信じて、見守ることが大切なのだと思います。