園長ブログ

公園で

2014/06/02

いつも、お弁当を食べる公園にお目見えした新しい遊具。子どもたちは大喜びでしたが、実は私はちょっと複雑な気持ちでした。

せっかく、園にはない広々とした草っぱらや、様々な草花、自然の素材がたくさんあるので、そういった物を使って、工夫して遊んで欲しい。そういう思いを持っていたので、遊具が新設されているのを見たときには、「園とは違った自然環境のなかで、思いっきり遊んで欲しいな。」という思いを持っていた私には、子どもの興味を全て集めてしまうような遊具がある方が良いのか、どうなのか、微妙なところでした。

とっても楽しそうな遊具があれば、子どもたちが遊んでみたくなるのは、当然のことで、逆に全く遊んでみたくならない子がいればちょっと困ったことです。

ですから、最初子どもたちは、おもしろそうなローラー滑り台付きの総合遊具に集まりました。そして、一通り遊ぶと子どもたちの中から、他の遊具や遊びの方がおもしろそうに思える子どもたちが現れるのです。もちろん、最初に遊んだ遊具が気に入ってそこで遊び込む子もいます。

私が、ロープスライダーのスタート係になったことで、ここでも遊ぶことができるのだとわかったのでしょう、ロープスライダーを体験してみたいという子の長い列ができました。

「遊具だけではなく、自然がたくさんあるよ」と心の中で言っている私もいましたが、実際にローラースライダーで遊ぶ子どもたちの楽しそうな顔を見ていたら、これだけ楽しく遊んでいるんだったら、この遊びがこの子達が今、楽しみたいことなんだろう。と感じました。

「こうした方が良いのになー」という思いは持っていて良いでしょうし、そういう思いを持って環境を構成することは大切ですが、遊ぶかどうかは、その子の自発性に任せ、子どもが、自分の発達に必要な環境のなかで、最大限の発達を遂げているんだと信じて、見守ることが大切なのだと思います。

公園の遊具

2014/06/01

畑でさつまいもの苗を植え、いちご狩りを楽しんだあと、いつもの公園でお弁当を食べていたら、新しく遊具が設置されていることに気づいた子どもたち、お弁当を食べるのもそこそこに、早速、遊具で遊んでいました。

ローラー滑り台のついた総合遊具に登ったり、滑り台を滑ったりして楽しんでいましたが、しばらく遊んでその遊具のことがわかったら、隣にあるロープスライダーが気になり始める子どもたちが現れました。

同じように遊んでいても、ずっと滑り台で遊んでいる子もいれば、それはすぐに飽きて、違う物に興味を持つ子もいます。あたりまえといえばあたりまえです。その子どもが今、最も興味を持っていることを思う存分させてあげること。それが、子どもの発達にとって大切なことです。ですから、子どもが自らの意志で選ぶことを大切にしたいのです。

ロープスライダーに興味を持った子どもたちが、やってみようとしています。その遊具の構造は、ワイヤーを伝って移動する器具にロープがついていてその先にボールのようなものがとりつけてあるので、そのボールの上に乗ってロープを足ではさむような形で姿勢を作って滑るのが、最も安定して安全に滑ることができるようになっています。ところが、子どもたちにはおさえていないと滑っていってしまう器具をおさえながら、ボールにぶら下がる体勢を作るのが難しいので、最初のスタートの所はどうしても大人が手伝ってあげる必要がありました。

私自身も興味のあった遊具なので、最初に興味を持った子どもたちと、遊んでいたら、いつの間にか私がロープスライダーのスタート係になっていました。子どもたちが自力でボールのうえに登るまで、スライダーがスタートしないようにおさえるのが主な役割です。こどもがボールにまたがったら、ロープをしっかり持って放さないように伝えてから、スタートさせてあげるということをしていました。

最初のうちはそっと放していたのですが、もっと早いのが良いという子には、少し勢いをつけるように押し出してあげました。子どもたちは何度も何度も繰り返し遊びます。繰り返すうちにボールに登るのも上手になってきた子どもたちですが、それでも子どもの準備ができるまでは、器具が動かないように止めていないとならないので、私はそこを離れられなくなってしまいましたが、子どもは、歓声を上げて楽しんでいました。

公園にて

2014/05/31

ずっと楽しみにしていたいちご狩りをする事ができた子どもたち、たくさん食べることはできませんでしたが、園児達のためにと心を込めて育ててくださったいちごを、しっかりと味わっていただくことができました。

畑で充実した時間を過ごした子どもたち、そろそろおなかがすいてきたと思ったら、お弁当の時間になっていました。いつものように近くの公園に移動してお弁当です。

「一緒に食べよう!」と友だちや先生を誘ってたのしくいただいています。「先生、見て!見て!」とお弁当をみせてくれます。かわいらしいキャラ弁もあれば、いろいろなものが食べられるようにとの思いからか、様々な食材を工夫して調理してあるお弁当もあります。おにぎり、サンドイッチと、おべんとうを作ってくださった方の愛情がたっぷり入っているのが感じられます。

おいしく楽しくおべんとうをいただいた後は、しばらく公園で遊びました。いつもは芝生や草で覆われた起伏のある広場で、小川が流れていて水車や、大きな池もあります。芝生の斜面を駆け下りたり、転がったり、花を摘んだり、池に亀がいるのを発見したりして、自然のなかで思い思いに遊んでいるのですが、今回は少し様子が違いました。

なんと、真新しい遊具が新設されていたのです。ローラー滑り台のついた総合遊具とロープウエイのように、傾斜をつけて張ったワイヤーに、滑車のついた器具をぶら下げ、器具につかまって滑り降りるロープスライダーの2種類の遊具です。子どもたちはお弁当を食べている間から遊具が気になってしょうがないといった様子でした。

早く遊びたい子どもたちの食べるスピードの早いこと。「ごちそうさま」をしたら、一目散に遊具めがけて走っていました。

いちごがり 1

2014/05/30

突然現れた鉢植えのいちご、大喜びの子どもたちは、観察画も描きましたし、もちろんおいしくいただきました。大きくてとても甘いいちごでした。

そうして、むかえたおいもの苗植えといちご狩りの当日、お天気は時々日差しが届くような曇り空、ところによりにわか雨の予報が出ていました。この日を待ちに待った子どもたちは意気揚々とバスに乗って出発。畑に着いて、「よろしくおねがいします」とご挨拶すると、早速いちごを見に行っていました。心配していたとおり、いちごの実はあまり大きくなく数も少なめでしたが、子どもたちが摘むには十分だったのでホッとしました。

はやる気持ちを抑えて、先ずはさつまいもの苗を植えます。あらかじめ畝に作った溝状のくぼみに、苗を入れて優しく土をかけるだけの作業なので、子どもたちはすぐに植えてしまいました。しかし、少し手直しをしないといけないこともあるので、お寺の職員さんも一緒に来ていただいて、うまく植えられなかったところを植え直してくださいました。

そしていよいよいちごです。繁った葉っぱをかき分け、いちごを探しては次々と収穫し、あっという間にほとんど採ってしまいました。赤く熟しておいしそうないちごは、その場で洗って食べることにしました。洗ったいちごを1つずつもらって口にする子どもたち、「あまーい!」「おいしい!」の声があちこちから聞こえます。一気に口に入れる子、少しずつかじりながら丁寧に味わう子、いろいろな食べ方があるものです。数が少なく1人1つか2つしか食べられませんでしたが、子どもたちは満足していたようです。豊富にあるのも良いのですが、少ないから大切に味わって食べることも大切だと思いました。

熟し切っていないいちごは、少ないながらも園に持って帰って追熟を待ってジャムにすることになりました。

いちごを描く 2

2014/05/29

いちごの観察画を描いた子どもたち、とっても楽しそうに取り組んでいたそうです。描いた輪郭が乾くまで1日待って色をつけました。子どもたちは早く色を塗りたくて、登園時からうずうずしていたようです。

着色についても、どのような材料を用意すれば、子どもが興味を持って取り組むことができるのか。描き終えたあとに達成感を味わうことができるのか、その先生はそんなことを一生懸命に考えながら、用意する絵の具の濃さや、色の種類、筆の種類などいろいろと試しながら、前日の夕方に時間をかけて用意をしていました。きっと準備している先生は、子どもたちひとり1人の顔を思い浮かべていたのだと思います。

心の中でいちごのイメージが大きく膨らんだ子どもたちは、早く色をつけたくて、やってみると、楽しくてしようがない。そんな表情でそれぞれのいちごに色をつけていたそうです。

後でその話を聞いて、その姿を見に行かなかったことを後悔しました。子どもたちの真剣なまなざしや、集中して取り組む姿はとてもすばらしく、神々しさを感じることさえあるくらいです。私自身そんな子どもたちを見たかったし、何より子どもたちのステキな姿を先生達と共有できたら、たのしかっただろうなと思いました。

子どもたちひとり1人に心を運び、どうすれば、子どもたちが興味を持ち、自ら様々なことに挑戦できるか、決して指示してやらせるのではない、子ども主体の保育を丁寧に実践してくださっている先生に感謝せずにはいられませんでした。

いちごを描く 1

2014/05/28

思わぬいちごのサプライズ!子どもたちのいちごに対する期待が最高潮に高まっているときに突然現れたたくさんの鉢植えのいちご!子どもたちの歓びのためにこの機会を逃すわけにはゆかない。というのが先生方の気持ちだったと思います。

早速、子どもたちと観察画を描いていました。鉢植えのままだと少し描きにくいかもしれないという配慮から、描きやすそうな株を先生が選び、それを見ながら描いたようです。

小さめの和紙に、子どもひとり1人に合わせて割り箸ペンや筆などを使って、いちごを描いたのですが、その時の様子を「子どもたちはとても真剣に、集中して取り組んでいましたよ。」と嬉しそうに話してくれた先生の笑顔がステキでした。

そして、子どもたちがいちごに対する期待や興味を持つことができる環境をたくさん用意しておき、子どもたちの心の中で、いちごのイメージが大きく膨らむようなことばがけをするなどして、子どもたちの心の中にあるいちごが大きく育つようなことを考えて、用意してあげると、子どもたちの取り組む姿勢がちがうと、その先生はいきいきと話してくれました。

そうして、興味関心が膨らみ、探求心が増し、期待が大きくなるように、子どもと環境をつなぐような橋渡しをすること、子どもが自ら環境に関わりたいと思うような、環境を用意し、子どもが自らその環境に関わりたくなるようにつなぐことも大切なのでしょう。

いちご 2

2014/05/27

子どもたちがとっても楽しみにしていた、さつまいもの苗植えといちごがりは、残念ながら、お天気の都合で延期になってしまいました。予備日のお天気ももちろん気になりますが、私がそれ以上に気になっていたのが、今年はいちごが不作だと聞いていたことでした。子どもたちが楽しみにして畑に行ったのは良いけれど、ほんの少ししかいちごがなかったらどうしよう。ということが気になっていたのです。

そんなこんなで、残念な思いで午前中を過ごした保育園のみんなでした。午後になって、お昼寝の時間のことです。先生の1人が「いちごが!」と興奮気味に保育室にやってきたそうです。

園の前にいらっしゃるお地蔵様に植木鉢がたくさん並んでいて、全ての植木鉢にはいちごが植えてあるというのです。少なくとも20鉢以上があり、全ての鉢に美しいいちごがたわわに実っていたのです。いちご狩りが1週間延期になって残念でしょうがなかった先生達にとっては、この上ない歓びです。早く子どもたちに伝えたくってしょうがなかったことでしょう。

この何とも絶妙なタイミングで現れた鉢植えのいちご達、実は別のお寺のご信徒の方が、園児達が楽しんでくれればという思いで、お地蔵さまにお供えしてくださった物でした。お昼寝から起きてきた子どもたちが、先生達以上に歓んだのは言うまでもありません。

このタイミングで、ステキないちごがこんなにたくさんやってくる。まるで奇跡のようです。ご尊天様(お寺のご本尊)のお取りはからいとしか考えられません。
折しもこの日、お寺では五月満月祭というおまつりがある日でした。

感謝!感謝!ありがとうござます!このことばしかありません。

いちご 1

2014/05/26

毎年5月に子どもたちはいちご狩りとさつまいもの苗を植えることを兼ねて、滋賀県の守山市にある畑に行っています。前にも紹介しましたが、お寺のご信徒が子どもたちのために畑を用意してくださっていて、春にはいちご狩りができるようにと、いちごを育ててくださっているのです。

また、秋にはおいもほりができるようにと、さつまいもを育ててくださっていましたが、秋に収穫するだけではなくて、苗を植えることも経験できると良いとと考え、春にさつまいもの苗を植えに行っています。その畑に行って、おいもの苗を植えてから、いちごがりをしています。

今年も、その予定をしていたら、保育士の先生方の、子どもたちにはいちごがりを広く深く楽しんでほしいという思いから、いちごのことを調べてみたり、絵本を読んだり、いちご狩りに行く前から子どもたちがいちごに興味を持てるような取り組みをいろいろと行ってくださったようです。

そんなこともあって、子どもたちの中では何日も前からてるてる坊主を作って、「おいのもの苗植えといちご狩りに行けるように」とお祈りするほど、期待が高まっていました。ところが、当日が近づくにつれて天気予報では雨の確立が高くなってきていました。交通手段の関係で、前日には実施か延期かを決定しなくてはならなかったので、しかたなく1週間後に延期しました。

延期になったことを知って子どもたちはとても残念がっていたようです。保育士の先生方も残念だったでしょうし、私もそう思いましたが、私にはお天気以外に、もう1つ気がかりなことがあったんです。

役割

2014/05/25

保護者のことばから、私たちが思ってもいなかった保育園という施設に対するイメージがあるものだと気付く事ができました。

お話しをうかがったお母さんは、こんなこともおっしゃっていました。
「最初は、他の保護者の方々ともどこか距離をおくようなところがあって、心から打ち解けることはなかったが、今では皆さんと仲良くさせてもらっているので、うれしい。」

職員と保護者、保護者と保護者、保育園に関わってくださる多くの方々、もちろん職員どうしも。そんな人々が、子どもをまん中に、つながり、協力する。心を合わせ、力を合わせる。「子どものより良い育ち」という目的のためにそれぞれの役割を果たす。そして、みんなで子どもの育ちを歓びあえる。保育園はそういう場でありたいと願っています。

みんなが子育てのチームになるということです。子どもの近くにいる大人達の関係性は、私たちが考える以上に子どもの育ちに影響します。子どもは雰囲気を鋭く感じ取るということもありますが、子どもたちは大人を見て学ぶからです。

大人がお互いに認め合い、心を合わせ力を合わせることを歓んでいる姿、そんな姿が常に子どものまわりにあると、自然と子どもはそう育ちます。

でも、だからといって協力しなさい!なんてだれかに命令されても、心から協力することなんてできません。それぞれが歓びを持って協力したいと思えるように環境や仕組みを整えることが大切です。

そういう環境やしくみを整えるのが園長の役割なのだと思います。とっても重い役割です。私にはまだまだ力が足りませんが、その役割が果たせるように、その役割を果たすことが楽しめるようになりたいと思います。

保護者 3

2014/05/24

保護者がいらしてくださって、お話しを伺う機会がありました。お母さんから「子どもを信じる事が大切だと気づき、心に余裕を持って子どもと接するととても気持ちが穏やかになった。」というお話しを伺っていたら、とても嬉しくなりました。

「そう思えるようになったのも、保育士の先生が話を聞いてくれたり、さりげなくアドバイスしてくれたからだ。」ともおっしゃってくださって、更に嬉しくなりました。

ところが、ちょっと意外だったのは、お母さんのこんなことばでした。「幼稚園では、学校のように子どもの教育について先生と話し合う機会が多いけれども、保育園はただ預けるという、どこか事務的なイメージが強くて、子どもの育ちや発達、教育についていろいろなことを話せるところではないと思っていた。鞍馬山保育園に来て、保育園でも子どものことについて相談できるということに気がついたし、今では先生方に話を聞いてもらったり、アドバイスしてもらうことがとても助かっている。」

私たち、保育園の職員にとって、保護者のサポートは子どもの発達を保証するうえでとても重要な仕事ですし、保護者とチームにならなくては、子どもを育てることはできません。そう考えているのだけれど、保育園って、「ただ子どもを預けるところ」というイメージがあるのだということが、ちょっと意外でした。でも、話をしてくださったお母さんは、最初のイメージはそうでも、今ではちゃんと理解してくださっていることが嬉しく思いました。こうして保護者が持っていらした保育園のイメージが変わったのも、先生方が現場で、保育士、調理師、栄養士、用務員などなど、それぞれの役割をしっかりと果たし、丁寧に保育してくださっているからこそだと思いました。

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