園長ブログ

ハンバーガーやさん 4

2014/06/12

パン屋さんに無理をお願いして、特別にパンを作ってもらえることが決まったら、調理の先生方は職員向けに試食会を開いてくれました。3種類のハンバーガーをつくり、全職員に試食してもらって、これで良いか、改善点はないかの意見を募るのが目的です。また、みんなが同じ話題で話し合う機会の一つになればうれしい、という想いも含まれた試食会です。もちろん試食会用のパンも実際に使うのと同じ種類のパンを用意してくれました。

予定していた3種類を作って、職員みんなでいただきました。みんな「おいしい!」の連発です。食べてみて、せっかくだから、野菜を増やした方が彩りが良いとか、野菜を加えるなら茹でたキャベツがいいとか、いろいろな意見も出て、みんなでハンバーガーのことを考えていました。その意見を取り入れて調理の先生達はハンバーガーの改善を重ねました。

ハンバーガーやさん開店の日が近づいて来るにつれ、「せっかくだから、いつもと違う雰囲気で、子どもも大人もハンバーガーやさんを楽しみたい。」私の中ではそんな思いが募ってきて、まずはハンバーガーやさんのお店を作ろうと考えました。子どもたちが、「○○バーガーください」と注文して、ハンバーガーをもらうところです。

浮かんだイメージは、ちょっと屋台風。いつも配膳に使っているテーブルに枠を取り付けて、ちょっとしたひさしをつければお店みたいにならないかなと思いついたら、木の枠をどうやってテーブルに取り付けようか?組み立て、解体が簡単な方が良い。1回きりではなく何度も使えるようにしたい。ひさしは学童の子どもたちが使っていたストライプのフイルムを使おう。などいろいろな考えが浮かんで来ます。こんなことを考えているときって、なんだかワクワク楽しいものです。

ハンバーガーやさん 3

2014/06/11

ハンバーガーやさんでハンバーガーをどんなふうに出すと良いのかという話し合いの中でいろいろな意見が出ました。

子どもたちが、3種類用意するハンバーガーから、どの種類を食べるのかを選べるようにするにはどうすれば良いか。

食べたい子、食べようと思う子は用意する3種類とも食べることができるようにしたい。

そうするには、普通の大きさのパンでは、3つ食べる事は無理なので、少し小さめのパンは手に入らないものか。

それなら、パン屋さんにお願いしてかなり小さめ、軽めのパンを焼いてもらうように頼んでみてはどうか。

そんな風に意見がまとまると、担当の先生は早速パン屋さんに相談して、いつも注文しているパンより小さく、ふわっと軽くやわらかいタイプのパンを作ってもらえないか、相談にいったようです。

いつも子どもたちが食べているパンは、全粒粉と、できる限り自然の材料だけを使い、塩も控えめに作っていただいているので、少し堅めで重い、しっかりとした感じのパンです。しかしそれをハンバーガーに使うと、いくら一つを小さくしても3つは食べられないかもしれないので、パンはいつもとは違ってふわっとやわらかく軽いものにしていただけることになりました。

パン屋さんにとっては、店頭に並べる商品とは異なるパンを作らなければならないので、負担がかかる思うのですが、調理担当の先生の想いが通じたのでしょう、時間を割いて相談に乗ってくださり、快く引き受けてくださったそうです。

こうして、まわりの人に支えていただいているお陰で、いろいろなことができるのだと思うと、とてもありがたいことです。

パンやさんには大変お世話になりました

ハンバーガーやさん 2

2014/06/10

「子どもと一緒に食べたいおひるごはんやおやつ」そんな職員のリクエストからスタートしたハンバーガーやさん。「ハンバーガーやさんというくらいだから、何種類かハンバーガーがあった方が楽しいよね!」「いくつか種類があれば、子どもたちがそこから選び取ることができるね。」と話し合いながら、調理の先生達は3種類のハンバーガーを作ることに決めたようです。

どんな3種類にするのか、これも他の職員のアイデアを集めようとみんなに尋ねて回っていました。1つはオーソドックスな、ハンバーガーパティを使ったハンバーガーにすることは決まっていたのですが、他の2種類を何にすれば良いのか、私の所にも聞きに来てくれました。私はいつか豆腐ハンバーグがお誕生会の日のメニューになっていたのを思い出したので、豆腐ハンバーグをリクエストしたら、それが採用されました。残りの1種類は若い保育士の先生がリクエストした、グラタンハンバーガーに決まりました。

種類は決まりましたが、一つ問題が浮上してきました。3種類作るのだから、せっかくなら3種類とも食べたいし、子どもたちも全種類食べたくなるだろう。でも普通の大きさだと3つは食べられないかもしれない。ということです。

それなら自分で食べられないと思ったら、1つとか2つにするようにしたらどうだろう。
せっかくなら3種類全部食べたい子は、食べられる量にした方が良い。
子どもたちはどの種類から食べるか、食べる順番を選べるので選ぶことも経験できる。
それなら、1つの大きさを小さくすれば、3つ食べる事もできるのではないか。
パン屋さんにお願いして、小さめのバンズを焼いてもらうことはできないかな。
と、いろいろなアイデアが溢れてきます。

私もその話し合いを聞いていたのですが、話し合っているみんなの楽しそうなこと。みんないきいきしていて、聞いている私まで楽しくなってきました。やりたいことを形にしようとするとき、楽しくってわくわくします。そんなわくわく感がたくさん伝わってきました。

みんなが、いつもわくわくできること。そのために自分には何ができるか、そこを大切にして、そのことに力を注いで行きたいと思いました。

ハンバーガーやさん 1

2014/06/09

「おひるごはんをもっともっとたのしくしたい!」そんな思いで調理の先生方が中心になって始めてくださった「○○やさん」シリーズ、5月にはハンバーガー屋さんが開店しました。おおきなねらいは、「たのしくいただきます」ですが、そのなかでも、「子どもが選ぶ」ことをテーマにしてみたそうです。今までと同様、「いつ食べるか」そして「誰と食べるか」そして「どの種類を食べるか」を子どもたちに選んで欲しいというねらいがあったようです。

今度はハンバーガー屋さんを開店したい!そんな調理担当の先生方の想いを形にするために、話し合いました。せっかくハンバーガー屋さんを開店するなら、子どもが、「○○バーガーください」と選ぶことができるように、3種類くらいのハンバーガーを作りたいと、調理の先生達が3種類のハンバーガーを作ってくれることになりました。

ある日、職員のロッカールームにポストが設置されました。そのポストは毎月一定期間ロッカールームに設置されます。設置しているのは調理担当の先生方です。そのポストは、調理の先生方が新メニューの開発にあたって、全職員から「こんなおひるごはんやおやつがあったらいいなー」「子どもと一緒に食べたいごはんやおやつ」というテーマでリクエストを募集し、それを形にしよう!ということから始まったものです。

ハンバーガーやさんが開店したのも、このリクエストポストに入っていたリクエストがその始まりだったのです。「みんなの願いを形にしたい!」「みんなのやってみたいをサポートしたい!」「それが、新たなメニューの開発、その先の子どもの歓びや笑顔につながれば!」という調理担当の先生方の熱い想いから設置されたポストなのです。

年度の変わり目に、このポストに「ハンバーガー」というリクエストがはいっていたそうです。このアイデアを元にどうやってハンバーガーを子どもたちに提供すると良いのか考えた結果、ハンバーガー屋さんという形をとれば、子どもたちが楽しいだろうということになったようです。

「職員みんなの知恵を集めて、子どもの楽しくいただきますに繋げたい」調理担当の先生方の願いが伝わってくる取り組みに、心を動かされました。

生き物たち

2014/06/08

      ムシカリの花

自然の姿は、いつの間にか夏へと移り変わってきています。木々の葉は青々と茂り、雨にしっとりと美しく輝いています。1月ほど前には美しく咲いていたムシカリの花も見えなくなりました。園庭の木々も葉を茂らせて木陰を作ってくれています。

園庭に植えかえた柿の木も1年4カ月ほどが過ぎましたが、どうやら根付いたようです。2本植えたうちの1本は他の木の木陰に、もう1本は日当たりの良い場所に植えました。木陰に植えた方は葉っぱが大きく繁っているのに対して、日向に植えた方はあまり葉が大きくなっていないので日向の方は乾燥しすぎているのかもしれません。

リスがかくれているのがわかりますか?


同じように植えた木でも、環境によって全く違った姿になる。環境が成長に与える影響の大きさが感じられます。子どもたちには、良い環境を用意してあげたいものです。

山にはオオルリやアカショウビンといった鳥たちの声が美しく響いています。少し前にはツツドリも鳴いていました。冬には越冬していたヒナコウモリ達もずいぶん前に旅だっていったようです。

5月の終わり頃、朝早い時間にお寺に行ったら、なにやらちょこまか動いている小さな生き物がいます。

      一目散

よくみるとリスがお堂の回廊と近くの金木犀を行ったり来たり、とってもかわいらしい姿を見せてくれました。

夜、山道を歩いていると、すぐ近くの木の幹で何かが動きました。ライトで照らしてみると、大きなムササビです。長いしっぽまで含めると1メートル近くありそうです。突然ライトで照らされて、眩しかったのでしょう、枝の途中にうずくまってしまったので、写真を撮ってみようと思いましたが、ライトで照らしながらスマホを構えて撮るのは難しかったです。

いろいろな生き物がつながり合いながら生きているんですね。

     ムササビ

子どもから

2014/06/07

子どもが自ら環境に関わることによって発達してゆく。だから、様々な環境を用意して、子どもが興味を持てるようにしますが、そこには、こんな発達を遂げて欲しいという保育者の思いや意図があるはずです。ただし、保育者の思いや意図だけでは一方的になってしまって、子どもたちの学びは深まりません。どんなことをいつどんな方法で提示するのか、そのために必要なことは何か。全ての答えは子どもの中にあります。今のこの子達は何に興味を持っているのか、どう発信すればよいのか、子どもをしっかりと観て、理解していることが大切です。ですから、保育士の先生たちはいつも子どもたちひとり1人の今を考えながら、どんな環境を用意しようか、どう提示しようか、先生それぞれの役割分担は、と相談していますし、子どもたちの反応から、新たな展開につなげたり、子どもたちのことばを拾っては方向を修正したりしています。常に子どもから考えてくださっています。

それはなにも、保育士の先生に限ったことではありません。

当園のお昼ごはんの人気メニューのひとつに、五色きんぴらというのがあります。れんこん、いんげん、にんじん、こんにゃくに豚肉を加えて炒め煮にしたものです。子どもたちに人気のメニューなのですが、給食の話し合いの時に調理担当の先生達が豚肉をちくわに変えるという提案をしてくれました。人気メニューの食材を変えるのは調理担当者にとっては挑戦だと思います。

豚肉をちくわにかえた五色きんぴらができあがり、実際にいただいたら、とてもおいしくできていました。豚肉特有の油っぽさがなく、とてもあっさりとしていて、和風の味付けにぴったりでした。子どもたちも「こっちの方がおいしい」といって食べていたようです。
その時は仕入れの関係でつなぎにたまごを使っているちくわしかなかったので、たまごアレルギーの子どもにはちくわではなく、かわりにじゃこをつかったそうです。そうしたら、近くで食べていた子が「じゃこが、ええなー!」とポツッとひとこと言ったそうです。そのことばを聞いて、次回はちくわの代わりにじゃこで作ってみることにしたと話してくれました。

保育士の先生だけでなく、みんなが子どもから考えてくださっているのは、ありがたいことです。

意図

2014/06/06

ただ子どもを遊ばせているだけではない、保育者の願いをもって、意図をもって環境を構成する。その環境に子どもたちが自発的に主体的に関わる。そのことによって、子どもは自ら発達してゆくのです。

保育所保育指針の第3章 保育の内容 1.保育のねらい及び内容(2)教育に関わるねらい及び内容、つまり5領域といわれるなかの「言葉」の領域は、第1章(総則)3.保育の原理(1)保育の目標の「(オ)生活の中で、言葉への興味や関心を育て、話したり、聞いたり、相手の話を理解しようとするなど、言葉の豊かさを養うこと」をより具体化したものです。
言葉
経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。
(ア)ねらい
①自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。
②人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう。
③日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、保育士等や友達と心を通わせる。

内容は

(イ)内容
①保育士等の応答的な関わりや話しかけにより、自ら言葉を使おうとする。
②保育士等と一緒にごっこ遊びなどをする中で、言葉のやり取りを楽しむ。
③保育士等や友達の言葉や話に興味や関心を持ち、親しみを持って聞いたり、話したりする。
以下⑫まで続きます。
⑫日常生活の中で、文字などで伝える楽しさを味わう。

「日常生活の中で、文字などで伝える楽しさを味わう」ことを子どもたちが経験するためにはどんな環境が必要なのか考えて環境を構成する必要があります。指針の解説部分には「お店屋さんごっこや郵便屋さんごっこのように、文字や記号のやり取りのある遊びを楽しみながら、文字などに親しみ、保育士等や友達と文字で伝え合う喜びが芽生えていくよう見守ることが大切です。」とあります。
郵便屋さんごっこが始めやすいように、お手紙が書くための紙と鉛筆、封筒や切手を用意し、ポストを置くなどの環境を用意します。ただし、子どもたちがその環境に興味を持って積極的に関わらなくては意味がないので、いつ、どうやってそれを提示するかをよくよく考える必要があります。そのために子どもたちをよく観て知っていなくてはなりません。文字を書くために手指が十分に発達しているか。ことばで伝える事ができているか、子どもたちの中で手紙をやりとりしたいという意欲が高まっているかなどなど、様々なことを考えないと、せっかく用意した環境も一過性に終わってしまいます。

想い・願い

2014/06/05

子どもがやりたいと思うことを思う存分できるようにすることが大切です。しかしそれは、子どもの好き放題にさせるということではありません。子どもひとり1人が最も発達を遂げることができるように、その子が自発的に関わる事のできる環境を用意することが必要なのです。「おもしろそうだからやってみよう!」「できるようになりたいから、やってみよう!」という気持ちが起こり、持続することで、はじめて集中して活動に取り組むことができるのです。ただ子どもを遊ばせているだけでは、十分ではありませんし、ただ遊ばせているだけで良いなら、または大人の指示通りに子どもを動かすだけなら、専門職としての保育士は必要ないことになります。子どもをただ放っておくか、口うるさく指示するだけなら、誰でもできてしまいます。

先ず、その子の発達をしっかりと把握することが大切ですし、その子の今を見る必要があります。その上で、その子に経験してほしことができるような環境を構成し、提示することが大切です。子どもが興味を持つことができるように、さりげなく置いておくこと、大人が楽しそうに遊ぶこと、楽しそうに遊んでいる他の子を見ること、事前に興味が高まるような活動をすること・・・いろいろな方法があると思います。

園で行う、全ての活動には意味があるはずです。全てが子どもたちの学びにつながっているのです。学びというと、学校の授業のように先生が前に立って一斉に「指導」するというイメージがあるかもしれませんが、乳幼児期の学びはそうではなく、子どもが自ら環境に関わる事によって達成されます。

保育者は、その子の発達のために経験してほしいことを常に考えています。その子の発達をよく観て理解し、子どもに学んで欲しいと思っていることがあります。保育者の意図ともいえます。その意図をもって環境を構成することで、子どもがおもしろそうだなと興味関心を持ち、自分もやってみたいという意欲をもって、取り組む事ができるように導くことが役割です。

保育は常に、願いや想い、意図を持って行われているはずです。

丸ごと信じる

2014/06/04

子どもたちが、自然と3つのエリアの分かれた遊ぶこととなった公園での遊びの時間。子どもにとってみれば、総合遊具、ロープスライダー、自然という3つの選択肢があったことになります。ずーっとロープスライダーで遊んでいても良いわけですし、おもしろそうなことが見つかれば、それをしても良いのです。そうやって子どもが自由に遊びを選んで行う事を保証するためには「子どもを丸ごと信じる」ことが必要です。

子どもが遊んでいると、ずっと同じ遊びばかりしているように見えることがあります。ところが、見た目はそうだとしてもその子の学びは変化しています。同じことばかりやっているから発達していないのではないかと思いがちですが、そうではありません。子どもたちの中ではいろいろなことが変化しているのです。

ロープスライダーで遊んでいた子どもたちも、回を重ねる毎にボールにまたがるのが上手になってきましたし、スタートの時にそのまま放すか、少しだけ押してあげるかで子どもが味わえる感覚も変わってきます。ですから、子どもたちが慣れてきたら「ゆっくりがいい?早いのがいい?」と子どもたちに尋ねて選んでもらうようにしていました。もちろん、早いを選ぶと最後まで行って止まったときに大きく揺れること、だからロープをしっかりと握っていないといけないことを伝えたうえでです。ちょっと怖いなと思う子は、「ゆっくり」を選びますし、ちょっとスリルを味わってみたい子は「早い」を選びます。また、「早い」を選んで楽しそうにしているのを見て、挑戦しようと思う子も出てきますし、それでも「ゆっくり」を選ぶ子もいます。「早い」を選べば、ボールに座ってロープを足でしっかりとはさみ、手ではしっかりとロープをにぎっている必要があります。ロープスライダーという、ただ器具につかまって滑って行くだけに見える遊びの一部分だけを取り出してもそれだけちがいがあるのです。子どもたちが何を感じているかということも含めれば、その遊びを通して子どもが学ぶことは子どもによって千差万別ですし、同じ子どものなかでも学ぶことは変化してゆきます。もし、子どもがその遊びに飽きてしまったら、今のその子がその遊びから学ぶことがなくなった。ということなのではないでしょうか。

どうしても大人は、あれもさせたい、これもさせたいと自分の「させたい」を子どもに押し付けようとしますが、それでは子どもはおもしろくありません。遊びがおもしろくないということは、学びが少ないということだと思います。今、その子は自分にとって一番必要な遊びを選んでいるのだと、子どもを信じる事が大切だと思います。

何して遊ぶ?

2014/06/03

守山の畑に行くと、いつもお弁当を食べる公園に2種類の遊具が新たに設置され、子どもたちは、自分の遊びたい遊具で遊んでいました。

ローラースライダー係のおじさんになった私は、子どもたちが安全にローラースライダーで楽しめるように補助するのが仕事です。子どもが、確実に器具に取り付けられたボールにまたがったことを確認し、ロープを握って放さないようにとことばを添えて送り出します。子どもたちの楽しそうな顔が嬉しくて、夢中になってそんなことをやっていました。

子どもたちは、自分の番が来るのを待って列を作って並びます。最初のうちは長い列ができていたのですが、時間が経つと並んでいる子どもの顔ぶれがだいたい決まってきて、列の長さもある程度一定になります。

ふと、周りを見渡すと、総合遊具で遊んでいる子どものグループ、水車小屋の近くで、しろつめぐさを摘んで髪飾りを作つなど自然の物で遊んでいる子どものグループ、ロープスライダーで遊んでいる子どものグループと、大きく3つのエリアに分かれて遊んでいます。それぞれのエリアには先生がいて、子どもたちの遊びを見守っています。

誰がどうしよう、こうしようと計画し、指示したわけでもないのに、自然と3つのエリアに分かれて遊ぶという形になっていました。これは、子どもたちが自分の最も興味のある遊びをしたくて、そこで遊ぶことを選んだからです。もちろん水車小屋のまわりで、水車を見たり、ザリガニを探したり、遊具以外で遊ぶことを先生が提案したのかもしれませんし、先生の目の届かない遠いところへ行ってしまうのは危ないので、やめて欲しいとは伝えていたはずです。こうして、条件が許す中でできるだけ子どもたちが遊びを選ぶことを保証してあげると、子どもたちは自分が一番興味のあるところで遊びます。つまり、子どもが選んだ遊びがその子の今に一番適している遊びなのです。それを思う存分できるようにしてあげることで、子どもたちは育つのです。それが成り立つ前提として、「子どもを丸ごと信じる」ということが必要になってきます。

スクロール