災害が起こったときに被害を最小限に抑えるため、災害時に必要な防災知識や行動を「見る、聴く、触れる、感じる」などの体験を通じて学ぶことのできる施設、京都市市民防災センターが京都市南区にあります。
4歳児と5歳児が、この市民防災センターに行って、地震の揺れ、台風の風、火災現場からの避難を体験してきました。防災センターに到着した子どもたちは少々緊張気味ながらも係の人の説明をしっかりと聞きます。センター利用時の約束として「お・は・し」の約束がありますが、「お・は・し」ってなにかわかりますか。と聞かれ、私が少し考えていたら、子どもは「押さない・走らない・静かにする」と即座に答えていたのには感心しました。
まずは地震体験、震度3から7の揺れを体験できる部屋に入ります。前室で部屋が様々な強さで揺れる様子を見て、地震が起こったらまず自分の身体を守る。特に頭を守るために机の下に入ることを聞いた後、5人ずつくらいで体験します。このときに一番強い震度7を体験したい人、中くらいの揺れの震度5を体験したい人、弱い揺れの震度3を体験したい人と3つの選択肢から、子どもたちが自分で選べるようになっていました。私たちが普段の保育で行っている選択制と同じです。あらかじめ自分の目でどのくらいの揺れかを見て、子どもたちが自分で選んで決める。そうしないと強い揺れでも平気な子もいれば弱い揺れでも怖いと思う子もいるので、「5歳児は強い揺れ」などと大人が一律に決めるのはおかしいですよね。子どもはちゃんと自分で判断して強さを選んで体験していました。事前に説明を聞き、どうなるかを知って体験しているので、遊園地の乗り物にでも乗った気分になって楽しみすぎていた子もいたかもしれませんが・・・
次は台風の風体験です。これも風速32メートル、22メートル、15メートルから選びます。地震の震度7を体験してみるという子は多かったのですが、32メートルの風を選ぶ子は少なく、22メートルもほとんどいなくて、多くの子が15メートルを選んでいました。私も子どもたちと15メートルを体験しましたが、体験時間が長いこともあって結構強く感じます。よく32メートルを体験したものだと思いました。台風は地震と違っていつ来るのか、どれくらいの強さなのかなどがわかるので、できるだけ情報を集めることと、不必要に外に出ないことなどを学んでいました。
最後に煙の充満した建物から脱出する体験です。暗くて煙の充満したところを誘導灯を頼りにドアを開けたり、炎をよけたりして出口に向かいます。普段園の避難訓練で口にハンカチをあてること、姿勢を低くすることの意味が体験を通して理解できたようです。初めて宿泊するホテルなどでは事前に避難経路を確認しておくことで、パニックに陥る危険性が低くすることも学んでいました。子どもたちはどの体験にも真剣に取り組み、それぞれに得たものは大きかったことと思います。
全ての体験が終わる頃にはお昼を過ぎていたので、梅小路公園まで移動してお弁当にしました。曇り空で風が強く少し寒かったものの、前日に作ったてるてる坊主のおかげか、心配していた雨に降られることもなく、お弁当を食べた後は、遊具などで思いっきり遊んで帰ってきました。