園長ブログ

お別れ遠足 2

2012/03/14

  おさかなは見ないのですか?

琵琶湖博物館を訪れた5歳児たち。ディスカバリールームで楽しく遊んだ後は水族展示室を見学しました。水族展示には琵琶湖を中心とした日本の淡水の生物、世界の代表的な湖の魚類が展示されています。海の魚たちのように色とりどりというわけではなく、どちらかというと水槽の中は地味な感じなので、子どもたちはそんなに見ないかもしれないと思っていたのですが、みんなじっくりと見ていました。

トンネル水槽では頭の上を泳いで行く魚に感激していましたし、琵琶湖大ナマズの水槽では大きなナマズが泳いでいるのが見られました。

ビワマスが回遊するように泳ぐ姿が見られる水槽では、係の方が水槽の内側を掃除していらっしゃるのが気になって、魚よりも水槽掃除の様子ばかり見ていました。

巣を作る「トウヨシノボリ」や音を出す「ギギ」などおもしろい習性の魚もいて、よく見るとおもしろい姿をしているので、子どもたちは結構集中してい見ていました。

    ナマズをくすぐる!

ナマズの産卵を説明する展示水槽にナマズがいたのですが、たまたまガラスの近くを泳いでいたナマズを見ていた女の子が、くすぐるような手振りをすると、ガラスの向こうのナマズが身体をくねらせ、まるでくすぐったがっているような動きをするのが不思議でした。女の子はその動きがおもしろいので何度もやってみます。ナマズも何度もガラス近くを泳ぎながらくすぐったそうに身体をくねらせています。一度だけなら偶然だと思うのですが、何度もそんなことをしていたので、子どもと一緒に遊んでいるかのように見えて、不思議な感じがしました。

     何がいるのですか?

他の水槽では、隠れていたオオサンショウウオを見つけてうわー大きい!目がかわいい!足の指は何本あるかな?などと興味を持っていました。古代魚コーナーのチョウザメの大きさに驚いた後は、体験コーナーで魚を優しく触ったり、ザリガニをつかむことができます。ザリガニは園で飼っているので、みんな平気かと思っていましたが、結構緊張しながらつかんでいました。

楽しく魚を見ていたら、あっという間にお昼になって、おべんとうです。

     いただきます!

この日はお天気も良く、暖かい日だったので、駐車場近くの芝生広場で食べることにしました。琵琶湖の対岸には雪を頂いた比良山系が美しく、穏やかな青空がひろがり、なんだかとってもゆったりとした気分になりました。

お別れ遠足 1

2012/03/13

5歳児たちがおべんとうを持って園外保育に出かけました。卒園も近づき、みんなで行く最後の園外保育なので「おわかれ遠足」と呼んでいます。

ここ何年かは、滋賀県草津市にある、滋賀県立琵琶湖博物館に行っています。琵琶湖博物館は日本最大の湖、琵琶湖について、湖と人との関係を過去にさかのぼって研究・調査し、資料を収集・整理し、その成果をもとに県民とともに考え、今後の望ましいありかたを探るために設置されました。その基本理念は、

○ 「湖と人間」というテーマにそって、未知の世界を研究し、成長・発展する博物館。
○ 魅力ある地域への入口として、フィールドへの誘いの場となる博物館。
○ 多くの人びとによる幅広い利活用と交流を大切にする博物館。

というものです。
当園は、山に囲まれた場所にあるので、琵琶湖のような広い水環境や水生生物に触れて知る機会が少ないので、ここに来ています。

今年は2台の車に分乗して園を出発。大はしゃぎするこどもたちを乗せ、50分ほどで到着です。入館して最初にディスカバリールームという展示室を訪れました。この展示室は全ての展示が子どもたちが自分で触れて体験する展示です。一番目を引くのが大きなザリガニで、頭の部分に子どもが入り、ザリガニになった気分で獲物を捕まえることができます。ディスカバリールームには、文字による説明がほとんどなく、子どもたちが自ら好奇心を持って、自主的に何かを発見することを目的とした展示がなされています。

園児たちは、様々な展示に自ら触れて楽しんでいましたが、最終的には囲炉裏のある民家を再現したスペースで、ままごと遊びに興じていました。体験できる展示がたくさんあってとても楽しいのですが、ある程度遊んだ後で、水族展示室を見学に行きました。

顕微鏡で何が見えるのかな?

保育園とは違う道具でおままごと

地域紹介

2012/03/12

「6年生が、地域のことについていろいろと調べ、自分なりにまとめたので、一般の人に見て頂きたいと思っています。どこかに展示して頂けませんか。」と鞍馬小学校の先生から依頼がありました。保育園の中に展示しても保護者にしか見て頂けないので、お寺の建物のどれかに展示すると良いと思い、いろいろと考えた末にケーブルの駅を兼ねている普明殿という建物に展示させて頂けることになりました。

6年生の力作を展示するコーナーは、「鞍馬ビジターセンター」(鞍馬の自然と文化紹介コーナー)で、鞍馬を訪れる方々に様々な切り口で鞍馬を紹介しようというコンセプトです。鞍馬といえば、火祭り。というくらいお祭りは鞍馬の人々にとって重要な意味を持っています。そんな火祭りをテーマにした作品。鞍馬寺の行事とそこに込められた人々の思いを調べた作品。川を中心として、そこに関わる人や生き物の関係について調べた作品。鞍馬にいる様々な動物のつながりや関係性の一部を紹介したものもありました。それぞれによく調べ、わかりやすくまとめられています。

火祭り紹介では、お祭りの歴史や特徴ある衣装、それを支える人たちのことを紹介すると共に、鞍馬で生まれ育った自分たちがそれを受け継いでゆくということ、少子化でお祀りを受け継ぐ若い人や子どもが少ないことを課題として紹介していました。

鞍馬寺の行事紹介は毎月の行事を紹介しその中から節分追儺式と竹伐り会式を詳しく取り上げてそこに込められた人々お思いや、地域の人々のつながりを紹介しています。

川を軸としたつながりです。ホタルの住む川とその川を守ることの大切さ、そして川という自然環境を活かして涼をとる、貴船の「川床」の紹介です。

鞍馬山と動物のつながりの紹介は、樹木とそれを食べたり巣として利用する動物、その動物を食べる動物など複雑なつながりを紹介し、人間もその中の一員であることを意識することの大切さを紹介しています。

これらとは別に、山で見つけたエビフライ(リスがかじった後の松ぼっくり)やムササビが食べ刺した葉っぱや、鞍馬のことについてまとめた冊子も置いてあります。
どの作品もとても丁寧に作ってあって感激しました。
展示が終わり、6年生が帰ってしばらくして、見に行ってみると、来山者が何名か展示をご覧になっていたので、うれしくなりました。

久しぶりにやってきました

2012/03/11

ある朝、早番の保育士から少し慌てた声で電話がかかってきました。何事かと緊張しまし、「やられました」のことばに何事かと思いました。久しぶりに彼らがやってきたのです。長い間姿を見せなかったのに、どういうわけかまたやってきました。そうです。猿たちがもどってきたのです。

園庭には、靴箱の上に置いてあったカボチャがころがり、2歳児たちが大事に育てていたブロッコリーも無残な姿になっています。たくさん生えていたしいたけも、きれいにありません。5歳児たちが、卒園式に咲くといいねと楽しみにして植えたチューリップは、部屋の中にあったので無事でした。猿はチューリップの球根を食べるのです。

来ていたのは大きな群れではなく3頭くらいが一緒に行動しているようでした。保育士や子どもたちはブロッコリーが食べられたことを残念がっていましたが、どうしようもありません。猿は忘れた頃にやってくるのです。前にもブログに書きましたが、この辺りでは、あまりに動物の食害がひどかったので、畑で作物を育てる人がいなくなってしまいました。それで、食べ物が少なくなってしまったので、猿はしばらく姿を見せなくなっていたのです。ですから、猿のことをあまり気にしなくなっていたところに、突如やってきたのです。

幸いにも一番大きな被害は2歳児のブロッコリーで、その他は観賞用に靴箱の横に置いてあったカボチャがかじられたくらいでした。
次の日のお昼前、一人の保育士が「猿がいます。今そこでカボチャをかじってます」と報告にきました。急いで見に行ったのですが、猿は逃げた後でした。保育士によると子どもたちの靴箱の前でもう一つ残っていたかぼちゃをむしゃむしゃと食べていたそうです。お天気が良くなかったので、子どもたちはみんな室内で遊んでいて猿に遭遇することはありませんでした。もっとも、子どもたちが外にいれば猿は来ることはありませんが。

「かじられたカボチャをどうしましょうか」と保育士にたずねられて、どうしようか迷いましたが、園庭の見えるところに置いておくことにしました。その日は外に得る予定もなかったので、もう一度猿が来れば、子どもたちも室内からガラス越しに見ることができるかと思ったのです。カボチャを食べているところを保育士に見つかり、慌てて逃げ出した猿がまだ近くにいたので、写真を撮ってやろうとカメラを持って近づくと素早く逃げてしまいました。それからは猿は来ていないので、どこかに移動したのかもしれません。

せっかく育てたブロッコリーを猿に食べられるのは残念ですが、猿も食べないと生きてゆけないことや一生懸命食べ物を探していることなど、猿をきっかけにいろいろなことを学ぶことができれば良いと思います。

かじられて茎だけになったブロッコリー

たくさんあったしいたけも根こそぎです

元気ないねん

2012/03/10

土曜日はお休みする園児さんが多く、少ない人数でゆったりと過ごしていることが多いのです。今日もみんなのんびりと過ごしていました。職員のお休みも多かったので昼食も子どもの年齢などに関係なく、みんなで一緒に食べました。

私が少し遅れてランチルームに行き、5歳児の子どもたちが多くいるテーブルの近くを通ったとき、5歳児の子どもたちに、呼び止められました。「園長先生、今日、○○先生がなんか暗いねん。」「そう、なんか元気がないねん。」「いつも笑ってるのに、今日は笑ってへんねん。」「なんでかなー?」「どうしゃはったんやろ?」と口々に聞いてきます。

○○先生は5歳児の卒園に向けて、様々な仕事があったので、保育に入らずに、専ら事務的な仕事をしていたようです。そんなこともあって、子どもたちがそう言っているのかと思ったのですが、子どもたちは真剣です。「だって、ごはん食べるのも一人で食べるって言ったはるし…」「どうしたらええかなー?」と子どもたちは真顔で悩んでいました。

そんな子どもたちの姿を見て、優しい気持ちが育っているのがよく伝わってきて、とてもうれしく、胸が熱くなりました。と同時にこれだけ子どもたちとの信頼関係が築けていることはすばらしいことだと思うと。これもまたうれしい気持ちでいっぱいです。

そんな思いにふけっていたら、こどもたちが「園長先生、どうすればいいかな?」と聞いてきます。「うーん、どうすればいいと思う?」と聞き返すと「わからへん」
「なんで元気がないのかな?」と聞いてみると「イヤなことがあったんかなー?」「疲れたはるんとちがう?」いろいろな意見が出てきます。
「どうすれば、先生が元気になるかみんなで考えて作戦立ててやってみたら?」と提案すると、しっかりもののMちゃんが、「うん!わかった!」といってみんなで相談していました。

昼食が終わって2階の保育室に行くと、Mちゃんが「何するか決まったで!肩もみしてあげんねん。きっと先生は疲れてると思うから。」と説明してくれました。しばらくするとその保育士を横にならせて肩をもんだり、背中を押したりしていました。そのうち、誰かがくすぐりだして、保育士が耐えきれず笑うと、「ほら笑った笑った」といいながら、どんどんくすぐっていました。いつの間にかマッサージがくすぐりになってしまいましたが、子どもたちの、先生に笑顔でいて欲しい。その想いが伝わってきて。温かい気持ちになることができました。

京都観光 3

2012/03/09

雨の二条城を後にして、東寺に向かいました。東寺は「教王護国寺」「金光明四天王教王護国寺秘密伝法院」とも呼ばれています。

桓武天皇によって平安遷都が行われ、羅生門の東西に東寺と西寺が建立された王城鎮護と国家鎮護の役割をになう官寺、いわば国立の寺院です。東寺の記録には延暦15年(796年)とあります。この東寺を建立する役職、造寺長官にあったのが藤原伊勢人という人で、鞍馬蓋寺縁起という鞍馬寺の縁起には鞍馬寺の伽藍を整えた人として、その名前が見られます。

嵯峨天皇の弘仁14年(823年)、真言宗を開いた空海は天皇より東寺を託され、以来東寺は真言密教の根本道場となりました。

東寺の伽藍は南大門を入って金堂、講堂、食堂が一直線に並ぶ伽藍配置や建物の規模は平安時代そのままだそうです。

最初に講堂にお参りしました。大日如来像をまん中に、如来部、菩薩部の仏像たちが曼荼羅の世界を現していらっしゃいます。あらかじめお寺にお願いして少し説明をしていただきました。中央の大日如来は、宇宙の根本原理、宇宙の真理であり、菩薩部や明王部の諸尊は、苦しみに迷う衆生に救いの手をさしのべてくださるのだそうです。明王部の仏像は、怖い顔をされています。これは少し厳しく言われないと(叱られないと)気付かない衆生に対しては厳しく説法してくださるということです。柔和なお顔の菩薩部の仏様はやさしくお導きくださいます。これは、大日如来が一人ひとり異なるそれぞれの気根(資質)に最も適切なお姿をとって、教え導いてくださるのだそうです。

一人ひとりちがう子どもたちに対して、その子に最も適した方法で、その子の今に最も良い方法で保育を行うのと似ています。

講堂の次は五重塔にお参りしました。国宝の五重塔は高さ55メートル、日本一高い木造の塔です。その美しい姿から京都のシンボルになっていると言っても過言ではありません。テレビでも京都をイメージさせるために、この五重塔を映すことが多いように思います。塔の内部をお参りすることができたので、中に入ってみました。決して広くない空間ですが、塔を支える重要な心柱をまん中に4体の仏様がその周りを囲んでいらっしゃいます。ここには大日如来は仏像のお姿ではいらしゃいませんが、塔を支える中心の心柱を大日如来としているそうです。よくこれだけの建築物が建てられるものだと感心します。

京都観光 2

2012/03/08

二条城の話を続けます。
あいにくの雨でしたが、二条城では庭園も鑑賞しました。小堀遠州の作と伝えられる書院造庭園二の丸庭園の力強さも見事です。隅々までデザインされ、計画された庭は、配置された様々な石や植物のひとつひとつが重要な意味を持ち、全体の中でそれぞれに役割を果たしているのでしょう。ですから、石がひとつでもなかったり、向きが違えば全体としての調和が乱れ、美しさが損なわれるのだと思います。ひとつひとつの構成要素が、しかりとその役割を果たすことで、全体の調和と美が生まれるのです。

人間だって同じです。チームの構成メンバーの一人ひとりが自分の役割をしっかりと果たすことなく、「あの人が悪いから」「この人のせいで」と他のメンバーを批判してばかりいては、チーム全体が輝くはずがありません。人と自分は違うのですから、それを認め、なおかつ自分にはない人の良いところをみつめてリスペクトし、自分にしかできないことを精一杯行い役割を果たす。そうして一人ひとりが輝くことで全体が輝く。そんなチームでありたいものです。

庭園の話しに戻ります。庭園には植木がたくさんあるのですが、どれも大変手入れが行き届いています。特に立派な松の木がいくつもあるので、手入れは大変だと思います。大勢の人が心を運び手間暇をかけることで、美しさが保たれてていることがよくわかりました。

本丸御殿を外側から見ながら庭を通り過ぎ、内堀の西橋を渡り、梅園に行ってみましたが、梅は五分咲きといったところでした。冬が寒かったからか、梅の開花が遅いようです。かなり雨は強かったのですが、久しぶりの二条城は思ったよりも楽しむことができました。

伝統

2012/03/07

鞍馬社会福祉協議会の行事で、京都市内を巡ってきたことを書きました。二条城の二の丸御殿を見学して、そのすばらしさに改めて気付くとともに、技術や技法をはじめとした様々な文化が発展し、後世に伝えられるためにも、それを形にすること、作ることが大切なのだと思いました。二条城の造営には大変な費用と労力がかかっているでしょう。それが文化を生み出し、後世に伝える役割を果たしたのです。

今、いろいろな自治体で文化的なものに対する予算が削減されているところが増えています。もちろん無駄な費用は切り詰めなくてはなりませんが、文化を伝承するために必要なことには予算をかけるべきだと思います。行政が行うべきでしょうけれど、その力が足りないときは力のあるところがその役を担うべきです。今、目の前の予算削減だけのために、長い年月と労力をかけて築いてきたものやことが途絶えてしまうのはとても残念です。

ずいぶん前になりますが、錺金具の技術を伝承されている方からこんな話しを聞いたことがあります。「戦後、生活の様式自体が変わり、昔のものを使わなくなり、経済第一主義だけにかたよってしまい物の価値を正確に判断でなくなってしまった。本来人間はいかにあるべきか、全てそれからスタートすべきだ。」
短い時間的スパンで考えたコストだけで、ものごとを計るべきではないということだと思います。また、こうも仰っていました。
「いくら良い技術を持っていてもそれを発揮する場がなければ継承してゆくことができない。そのためには本当に価値あるものを理解し、それを選んでくださる方がいなければならない。」
今こそ本当に価値ありとすべきものは何か、よくよく考えてみる必要があるのではないでしょうか。

伊勢神宮で20年ごとに行われている式年遷宮も職人の技術や様々な文化を後世に伝えるのに重要な役割を果たしているのだと思います。発注する人がいて、はじめて職人さんは製作できるのです。

京都御苑の中に平成17年に京都迎賓館が開館しました。そこには京都の伝統的技能が活かされています。伝統をそのまま受け継ぐだけではなく、伝統に根ざしつつ、新しい感性や最新の技術で作られた現代和風建築です。
この迎賓館の建設は税金の無駄遣いだなどと批判されたこともありましたが、そこにはすばらしい技術がちりばめられています。一度、少しだけ見学させていただいたことがありました。決して派手ではありませんが、細部にまでこだわった美しさが圧倒的な質感をもって迫ってくるようで、心を動かされました。

本当に大切にしなくてはならないもの、子育てや教育の分野でももう一度見つめ直す必要があります。

京都観光 1

2012/03/06

京都観光をしてきました。忙中閑「たまにはゆっくりしよう」というわけではありません。鞍馬社会福祉協議会の「歩こう会」という行事で、地域の60歳以上の方々とお出かけしようという企画です。元々は、健康のために「歩く」のが目的だったのですが、最近は「歩く」よりも「おでかけ」的な性格になってきていました。今年の企画では、その流れを少し見直し「歩く」要素をもう少し取り入れるという理由がひとつ。もう一つは、京都に住んでいると意外と京都を知らない、有名な社寺や観光地に行ったことがない、行ったとしても何十年も前ということがあります。そんな理由から京都市内を巡るコースになりました。訪れたのは二条城、東寺、伏見稲荷です。

3月5日(月)当日の天気予報は雨、しかも風雨が強く荒れ模様というものでした。せっかく歩く要素を多くしようとしたのに残念でしたが、お天気ばかりはどうしようもありません。9時30分、40名余りの参加者と共にバスで鞍馬を出発、まずは二条城に向かいました。

二条城は1603年徳川家康が京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所として造営し、家光が増築して1626年に完成しました。建築は桃山時代の武家風書院造りと、狩野派による障壁画、欄間彫刻など桃山文化を堪能できます。

国宝の二の丸御殿の中に入るときらびやかな障壁画に目を奪われますが、よく見れば30センチ角くらいの無節の檜の柱が数え切れないくらい並んでいます。長押の釘隠も花熨斗形というらしくかなり大きなもので、花の模様の細工がとても細かいのです。それも数え切れないくらいあります。天井もほとんどが格天井ですし、広間の一部、将軍の座の辺りは二重折上格天井になっていました。

私が一番気になったのは欄間です。もちろん広間、三の間にある。厚さ35センチの一枚板に両面異なったデザインの透かし彫り彫刻を施した欄間は圧巻です。絵で描くのさえ大変そうなのに、立体として造形してゆくのは想像を絶する作業だと思います。どうすればこんなことができるのだろうと思ってしまします。
室内外をしきる廊下の障子の上の欄間にもとても手の込んだ飾りがありました。それも数えきらないくらいたくさんあるのです。これもどのくらい手間暇かかったのか想像すらできません。

当時の最先端技術を集め、手間暇と財力を惜しげもなく注いで、作られたのだと思います。昔はこうしたことが行われたおかげで、職人の技が研ぎ澄まされ、様々な技法が編み出され、表現が豊かになり、ひとつの文化として現代にまで伝わってきているのです。昔は社寺や貴族、将軍や大名が文化が生まれ発展するのを支えていたのですね。

洛北福祉まつり

2012/03/05

第3回洛北福祉まつりが岩倉南小学校の体育館で開催されました。これは左京区の中北部に位置する8学区の社会福祉協議会と、地域の福祉施設、地域包括支援センターなどで構成する実行委員会が主催して行う福祉イベントで、今年で3回目を迎えます。子どもからお年寄りまで、しょうがいのある人ない人、いろいろな人がつながる場を作ろうと始まった取り組みです。そのいろいろな方が集まる場で、各学区の社会福祉協議会、福祉施設、地域包括支援センターなどが、ブースを設けてそれぞれの活動を紹介したり、体験や相談コーナーを設けたり、ステージで歌や踊り様々なパフォーマンスを披露する。そういったことを通して、お互いを知り、理解し合うきっかけを作るという狙いがあります。

私は、午後一番に行ってみました。雨が降り出したにもかかわらず、体育館はたくさんの人であふれています。入口付近には地域包括支援センターの高齢者疑似体験コーナーがあって、足が不自由な高齢者の立場を疑似体験できるようになっていました。そこにはおばあちゃんと一緒に来ていた園児の姿があって、ちょっとびっくりです。

体験コーナーには、遊び、ぞうり作り、注連縄作り、美大の学生さんが似顔絵を描いてくれるコーナーもありました。販売コーナーには地元野菜や手芸品など、喫茶飲食コーナーには、うどん、カレー、もち、たこやき、おにぎり、豚汁と多くの種類があります。災害を考えるブースというのもあり、防災に関する展示や、学生ボランティアによる被災地支援活動の報告がされていました。

ステージでは歌と踊り、健康体操などが披露されており、鞍馬の皆さんにはウクレレの演奏を披露していただきました。鞍馬にウクレレを練習していらっしゃるみなさんがいらっしゃり、鞍馬社会福祉協議会の他の行事でも演奏を披露してくださっています。今回は男性メンバーがギターで加わってくださり、演奏に厚みが増したようです。フラダンスを練習されている市原野社協の皆さんとのコラボレートして鞍馬の演奏で市原野の皆さんが踊ってくださり、ほんわかとあたたかい雰囲気に会場が包まれていました。

いろいろな人がお互いのことを知り合い、つながる。そんな喜びが広がるといいなと感じました。

鞍馬のウクレレサークルのみなさん

  市原野の皆さんのフラダンス

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